imu-note
いむたろ
いむたろ
@imutaroh
新卒エンジニア / データ基盤 × AI

D2C(Direct to Consumer)は、メーカーが自社の直販チャネルを主な販路にし、そこで得たお客さんのデータを使って直接アプローチを続けていくやり方だ。そのいちばんの狙いとされるのが「顧客の資産化」で、ここでは『D2C THE MODEL』(花岡宏明・飯尾元)の第1章をもとに、その意味を整理する。本は表紙で「D2Cの本質は『顧客の資産化』」とうたい、本文では D2C 化が求められる理由として挙げ、ビジネスルールの前提に置いている。

顧客の資産化とは、お客さんとの接点と購入データを自社で持ち、続けて使える状態をつくることだ。最後に、それができているかを確かめる式まで見ていく。

どの道で売るかが、手元に残るものを決める

メーカーの商品がお客さんに届くまでの道(チャネル)は、大きく3つある。

flowchart LR M[メーカー] --> W[卸] --> R[小売] M --> P[ECモール] M --> D[D2C 直販EC・直営店] R --> C[お客さん] P --> C D --> C C -- 購入データ --> D

小売やモールを通す道では、お客さんを集めるのは小売やモールの側だ。メーカーはその顧客基盤を分けてもらい、その対価としてマージンや手数料を払い続ける。お客さんの情報も、向こうの手元に残る。本はこれを、集客が自社の資産にならない フロー型 の顧客基盤と呼ぶ。

D2C の道では、集客から販売までを自社で行う。一度つくった顧客基盤は自社に残るので、集客にかけたお金は、払って消えるコストではなく資産をつくる投資になる。本はこれを ストック型 の顧客基盤と呼ぶ。

小売・モール経由D2C
顧客基盤フロー型(自社に残らない)ストック型(自社に残る)
集客にかけるお金払い続けるマージン資産をつくる投資

直販の道そのものは、昔からメーカーが持っていた。本は、D2C を単に「物販を EC で直販化すること」とは見ていない。顧客を資産化する基盤をつくり、オンラインとオフライン、モノとサービスにまたがる商売を統合して展開する「統合型コマース」の実現手段だと捉えている。

なぜ今、資産化できるようになったのか

本は、今の D2C を成り立たせたのは3つのデジタル化だとしている。

  1. 顧客のデジタル化:ほぼ全員がスマホを持ち、いつも WEB に触れている
  2. マーケティングのデジタル化:SNS 広告などで、その人たちに直接届けられる
  3. 事業基盤のデジタル化:SaaS などで、EC の仕組みを安く揃えられる

以前は、売上を作るには顧客基盤を持つ小売やモールに頼るしかなく、お客さんという資産は向こうに残った。3つがそろったことで、メーカーが自分の直販チャネルを安く立ち上げ、そこで生まれた顧客データを自社に残せるようになった。

小売・モールと D2C では、売れ方そのものが違う

道が変わると、お客さんの来方も、売り場の作り方も変わる。本は次の4つの観点で比べている。

観点小売・モールD2C
顧客マインド何かを買うつもりで来て、比べて選ぶまだ買う気はない
集客プラットフォームが集める。他の店へ流れることもある自社で集める。買う気になったらその場で買える
売り場他社の商品と並び、店づくりはプラットフォームの制約を受ける自社の商品だけで、店づくりの自由度が高い
顧客情報プラットフォームが持つ自社で持ち、続けて接点を持てる

本は、だから D2C では、買う気のなかった人に「なぜ今この商品を買うべきか」を伝えるコミュニケーションが欠かせないとしている。それがうまくいって買ってもらえる状態なら、売り先のチャネルの比較軸に価格や仕様を合わせる必要はなくなり、小さくても特定の層に深く届くニッチな事業が成り立ちやすい、とも書いている。

ただし本は、小売やモールを否定していない。全消費に占める EC 化率はまだ10% 前後で、伝統的なチャネルの重要性は依然として高いとしている。

D2C のビジネスルール — 粗利LTV − CPA > 0

本は、D2C の成否を1本の式で判断する。

粗利LTV − CPA > 0

  • 粗利LTV:1人のお客さんから、生涯で得られる粗利
  • CPA:1人のお客さんを新しく獲得するのにかかるマーケティング・販売のコスト

この式は、売上や利益を「商品あたり」「店舗あたり」ではなく「お客さん1人あたり」で見る。本の例では、同じ売上1億円を、1万人に1万円の商品を1回ずつ買ってもらって作るのではなく、1,000人に生涯で10万円分買ってもらって作ることを考える。

式を良くする手は、本では3つに分けられている。

  • 再現性ある顧客獲得:来訪者数 × CVR の最大化を突き詰める
  • LTV:購入回数 × 購入単価を上げ、獲得したお客さん1人あたりの売上を伸ばす
  • 運用効率/コスト削減:PDCA と EC 運用の効率を上げ、事業のコストを抑える

うまくいっている事業者は、まずお客さんを最小のコストで獲得する仕組みをつくり、そのうえでマーケティング投資をかけて、獲得したお客さんの LTV を最大化するという順番で動いている、と本は書いている。

読んで考えたこと

であれば、いまの技術に敏感でいるのはめちゃくちゃ必要じゃね??

直接コアターゲットにアプローチすることができるのが、強み。

顧客マインド;何かを買おうとは思ってないから購入意欲をくすぶるコミュニケーションが必要ってことか!

集客:プラットフォームの集客に頼ることになるし、離脱も多いが、購入意欲がわいたら、そこで囲い込んで購入できる

売り場:自社意外の店舗や商品はならんでいないので、比較も少ないし、お店づくりの自由度も高い

顧客情報:全部こっちのもの!

LTV-CPA > 0

これが成り立っている状態こそ、顧客の資産化。

なるほどね、元々、ずっと買ってくれるような顧客を保有しているよなインフルエンサーとかそーいうのは、web化も相まって、始めやすいんだ!

関連