# Column「アサーティブネス」の考え方を取り入れよう **中心主張**: UXライティングは、自分の気持ちと相手の気持ちを共に尊重しながら誠実・率直・対等に表現する「アサーティブネス」の考え方に通じており、他者としてのユーザーを尊重する姿勢がその根底にある。 **論の展開**: - アサーティブネスとは「自分の気持ちや意見を、相手の気持ちも尊重しながら、誠実に、率直に、そして対等に表現すること」(NPO法人アサーティブジャパン)。自己尊重と他者尊重の両方を備える - 堀田美保教授(近畿大学)は、自己尊重・他者尊重の観点からアサーティブでないコミュニケーションを「攻撃型」「受身型」「作為型」の3つに整理(図1) - 攻撃型(自己尊重・他者非尊重): コミュニケーションを勝ち負けと考え、自分の主張を押し通すために相手に変化を強要するスタイル。例:「家事は分担すべき。あなたも掃除をやるべきだ」と責める。主張が通っても相手とよい関係は築けない - 受身型(自己非尊重・他者尊重): 攻撃型とは真逆で、不満があっても言ってもらえないと思い我慢する。ストレスをためてしまう - 作為型(自己非尊重・他者非尊重): 表面的には相手に同意するが実は受け入れておらず、裏メッセージや不快な態度、嫌みで相手を動かそうとする - 強いことばで相手を非難するだけが攻撃型ではない。「ユーザーの知識不足」「誤操作したに違いない」と思い込み、解決策を一方的に押しつけるのも他者であるユーザーを尊重していないので攻撃型といえる - アサーティブネスの「他者尊重」とは、「相手は自分とは違う、相手には相手なりの意見や感情がある」という考えの下で「相手の意見や感情を知ろうとし、理解し、認める」ことを指す。そのうえで解決策を検討する - UXライティングも、ユーザーの意見や感情を理解したうえで商品やサービスの情報を提供していく。その根底には他者としてのユーザーを尊重し、誠実に、率直に、丁寧に伝えようとするアサーティブネスがある **実践指針**: - ユーザーからの問い合わせに対応する場面では、「ユーザーの知識不足」「誤操作したに違いない」と決めつけず、まず相手の意見や感情を理解しようとせよ - 感情的に主張が正しくても、相手を責める表現(攻撃型)は関係構築を損なうため避け、率直かつ丁寧に伝えよ - 不満を我慢する(受身型)でも、遠回しに態度で示す(作為型)でもなく、理由を聞いたうえでどうすべきかを話し合う姿勢を持て - UXライティングでは、ユーザーの意見や感情を理解したうえで、商品やサービスの情報を誠実・率直・丁寧に伝えよ **根拠となる研究・事例**: - 状況 → 家族に掃除を頼んだのにやってもらえなかった場合を例に、攻撃型・受身型・作為型・アサーティブの4パターンの対応を比較 - 示唆 → 感情的な反応をそのまま伝えると攻撃型になりやすい。感情的にならず自分の考えや気持ちを率直かつ丁寧に伝え、「さぼった」と決めつけずに理由を聞いたうえで解決策を話し合うことが、良好な関係構築とストレス軽減の両方につながる - 出典: 堀田美保「アサーティブネス・トレーニング効果研究における問題点」教育心理学研究、p.61、pp.412-424(2013) **キーワード**: - アサーティブネス: 自己尊重と他者尊重を両立させ、誠実・率直・対等に表現するコミュニケーションスタイル - 攻撃型/受身型/作為型: アサーティブでないコミュニケーションの3類型