# 3.4 ジャーニーマップで行動を洗い出す **中心主張**: ユーザーの体験を時間軸に沿って「プロセス/タッチポイント/行動/思考/感情」の項目で整理する「ジャーニーマップ」を使うことで、現状(AS-IS)の課題を可視化し、あるべき姿(TO-BE)を描いてプロトタイピングにつなげられる。 **論の展開**: - ペルソナシートで仮想ユーザーを見える化したら、そのユーザーがどのようにシステムやサービスを利用するのか行動を洗い出し「ジャーニーマップ」に整理する - ジャーニーマップは、ユーザーの経験を時間軸に沿って表や図にし、現状(AS-IS)とあるべき姿(TO-BE)があることを整理する手法 - テンプレート(図3.4.1)は5項目: プロセス/タッチポイント/ユーザーの行動/ユーザーの思考/ユーザーの感情を、左から右へ時間の経過に沿って記入する - プロセス: 行動の段階の区切りをざっくり分ける/タッチポイント: 行動の区切りごとにサービスやシステムとの接点を書き入れる - ユーザーの行動: 作業や手順ごとに詳しく分けて書き込む/ユーザーの思考: 行動時に何を考えて行ったかを書き入れる/ユーザーの感情: 感情面の変化を、わかりやすいアイコンやキーワード(やる気、期待感など)で書き込み、気持ちを可視化する - 記入は関係者が集まってグループワークで行うのがよい。複数の視点で検討することで具体的な行動の流れがまとまっていく - 機能の流れからではなく、ユーザーの行動に焦点を当てて流れを整理することで、ユーザーが一連の作業の中でどのように行動しているのかが明らかになる - 現状のユーザーの行動を時間軸に沿って整理するのがジャーニーマップを作る目的で、これを「現状」の意味でAS-ISと呼ぶ。さらに課題を書き出し、それを解決した「あるべき姿」(TO-BE)を書き込んだジャーニーマップを使うと、次のプロトタイピングへとつなげやすくなる **実践指針**: - ペルソナが定まったら、そのユーザーがサービスをどう利用するかを時間軸に沿って洗い出し、ジャーニーマップ(プロセス・タッチポイント・行動・思考・感情の5項目)に整理せよ - ジャーニーマップは機能の流れではなく、ユーザーの行動を軸に整理し、一連の作業の中での行動の変化を明らかにせよ - 関係者を集めてグループワークで作成し、複数の視点を取り入れることで具体的な行動の流れをまとめよ - ユーザーの感情変化は、アイコンやキーワードでわかりやすく可視化せよ - 現状(AS-IS)を整理した後は、課題を明示し、それを解決した「あるべき姿」(TO-BE)を同じフォーマットで書き込み、次のプロトタイピング工程につなげよ **根拠となる研究・事例**: - 例 → 学習アプリのジャーニーマップ(AS-IS、図3.4.2〜3.4.3)。プロセス「学習アプリを探す→見つける→使ってみる」、タッチポイント「Web→アプリストア→インストール画面→無料登録画面→アプリ画面」、行動「広告を見て知る/検索する→ストアで選ぶ→インストールする→アプリを使う→アプリを使わなくなる」、思考「アプリで勉強する!→これはよさそう→がんばって勉強しよう→毎日続けるのは大変」、感情「やる気→期待感→真剣→続かない」という一連の推移を可視化 - 示唆 → 「アプリを使わなくなる」という終着点まで可視化することで離脱の課題が明確になり、TO-BE(あるべき姿)検討の材料になる **キーワード**: - ジャーニーマップ: ユーザーの経験を時間軸に沿って整理する手法。AS-IS(現状)とTO-BE(あるべき姿)がある - タッチポイント: 行動の区切りごとのサービス・システムとの接点