# 苦しかったときの話をしようか 用語集
本書に登場する主要な概念・比喩を、カテゴリ別に整理したもの。定義は各章ノートの記述に基づく。
## 選択と軸(はじめに・第1章・第2章)
| 用語 | 定義 | 参照章 |
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| 神様のサイコロ | 生まれつきの先天的特徴(顔・才能・環境など)が、平等ではなくランダムに配分されること。人生の残酷さの根源 | はじめに |
| エスカレーター(の比喩) | 一度乗ると自分の意志で降りることが難しい人生の構造。多くの人が「選べる」のに選ばず流されている状態のたとえ | はじめに |
| 選択 | 本書全体を貫く最重要概念。「選べる」こと自体が、残酷な世界における唯一の希望である | はじめに |
| 軸 | 選択の判断基準。これがなければ「選ぶ」という行為自体が成立しない。人生のステージによって変化してよい | 第1章 |
| 宝物 | 自分が持つ特徴(強みにも弱みにもなりうる相対的な特徴)。同じ特徴でも文脈次第で長所にも短所にもなる | 第1章 |
| Self Awareness(自己認識) | 自分自身の特徴・悩み・価値観を深く理解する習慣。経験の量とは無関係に、いつ始めても早すぎず遅すぎない | 第1章・第3章 |
| 阿弥陀くじ | 就活で会社を選ぶ行為の比喩。情報の非対称性ゆえに実際にはどんな会社かを事前に完全には知り得ない、運の要素が強い選択 | 第1章・第2章 |
| 肌触り | AIが苦手とする、人間の感動・意志・情緒的判断を伴う仕事の質感 | 第1章 |
| 知力の格差 | 経済格差よりも根源的だとされる、先天的な遺伝と後天的な教育環境が絡み合って生まれる能力差。本書における「不平等」の本質 | 第2章 |
| サラリーマンと資本家 | 自分の24時間だけを切り売りする人(サラリーマン)と、他人の24時間を使って稼ぐ人(資本家)という資本主義社会の2つの人種区分 | 第2章 |
| 需要と構造 | 会社や事業の将来性を見極めるための2つの診断軸。需要=市場がその先も存在し続けるか、構造=競合が容易に模倣できない参入障壁があるか | 第2章 |
| Everything has cost | 「すべてには代償がある」という著者の好きな言葉。サラリーマンにも起業家/資本家にも特有の苦労がある、という含意 | 第2章 |
## 強みと自己分析(第3章)
| 用語 | 定義 | 参照章 |
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| 個の覚醒 | 全体主義・集団主義的な道徳教育の中では育ちにくい、"個"としての自覚。欧米の個人主義文化との対比で語られる | 第3章(後半) |
| 戦略なきキャリア | 確固とした目的の"軸"がないまま、会社や周囲の期待に流されて選択していくキャリアのあり方。避けるべきものとして提示される | 第3章(後半) |
| ナスビ/キュウリのたとえ | 自分自身の特徴・資質を野菜の品種にたとえ、その特徴に適した土壌(環境・文脈)を見つけて育てることの重要性を説く比喩 | 第3章(後半) |
| 空白の30年 | 日本の経済成長が停滞し続けてきたこの30年間を指す著者の表現 | 第3章(後半) |
| Work is an important part of your life | ワークとライフを対立させず、仕事も人生の重要な一部として戦略的に充実させるべきという著者の主張 | 第3章(後半) |
| 目的の仮説化 | 目的は完璧な確信でなくてよく、暫定的な仮説として設定し、後から何度でも修正してよいという考え方 | 第3章(前半) |
| 一貫性(貯金) | 目的の方向にキャリアの専門性を積み上げ続けることで得られる、資産としての価値の蓄積 | 第3章(前半) |
| 特徴と文脈のセット | 個人の"特徴"だけでは強みにならず、それが活きる"文脈"と組み合わさって初めて"強み"になるという原則 | 第3章(前半) |
| T(Thinking)/C(Communication)/L(Leadership) | ビジネスパーソンとしての基礎能力(コンピテンシー)の3分類。考える力/伝え繋がる力/変化を起こし人を動かす力 | 第3章(前半) |
| I(Innovation・Creativity・Imagination) | 番外編として位置づけられる第4の資質。斬新な発想を生み出す力 | 第3章(前半) |
## 自分をマーケティングする(第4章)
| 用語 | 定義 | 参照章 |
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| WHAT/HOW | 伝える内容と伝え方。著者は「WHATが9割、HOWは1割」という重みづけでWHATの重要性を強調する | 第4章(冒頭) |
| WHO→WHAT→HOWの順番 | 誰に、何を、どう伝えるかという、伝達における正しい思考の順序 | 第4章(冒頭) |
| 緊張の生物学的本能 | 変化を嫌う脳の現状維持機能(ホメオスタシス)が、就活・プレゼンなどの「変化」を伴う場面で不安・緊張として発現するという説明 | 第4章(冒頭) |
| My Brand | 自分自身をブランドとして戦略的に設計・運用する考え方 | 第4章(My Brand設計図編) |
| ブランド・エクイティー・ピラミッド | 市場(ドメイン)・WHO・WHAT(RTB含む)・HOW・ブランドキャラクターからなるMy Brandの設計図フレームワーク | 第4章(My Brand設計図編) |
| ST(Strategic Target)/CT(Core Target) | 戦略ターゲットとコアターゲット。My Brandの「誰に買ってもらうか」を定める区分 | 第4章(My Brand設計図編) |
| RTB(Reason To Believe) | 便益を信じるに足る根拠(資格・実績・エビデンス)。便益とセットでなければ機能しない | 第4章(My Brand設計図編) |
| Believable/Valuable/Distinctive/Congruent | My Brand設計を評価する4つの軸(信じられるか/価値は十分強いか/際立っているか/自分の本質と一致しているか) | 第4章(My Brand設計図編) |
| スピン | 誇張して見せる技術。ウソとは明確に異なり、自分の本質と乖離しない範囲で使う | 第4章(My Brand設計図編) |
| 積極的な転職/受動的な転職 | 転職の動機を分類する概念。前者はキャリア戦略として選び取るもの、後者は現状のストレスからの逃避 | 第4章(転職と職能戦略編) |
| 成長ブースト効果 | 積極的な転職・新環境が人間関係を一新させ、成長を加速させる効果 | 第4章(転職と職能戦略編) |
| メインウエポン/サブウエポン | 主軸となる職能と、それに相乗効果を持たせて組み合わせる補助的な職能 | 第4章(転職と職能戦略編) |
| シナジー | 複数の職能を組み合わせたときに生まれる相乗効果 | 第4章(転職と職能戦略編) |
## 逆境・弱点・自己変革(第5章・第6章・おわりに)
| 用語 | 定義 | 参照章 |
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| 「きっと何とかなる」 | 苦しい時期を乗り越えるための著者の口癖。根拠のない楽観ではなく、乗り越えた経験の蓄積が支える言葉 | 第5章(劣等感と無価値感編) |
| 無力なサラリーマン | 代替可能で組織の言いなりになるしかない立場を指す著者の表現 | 第5章(劣等感と無価値感編) |
| 負けのマインド | プロの世界で最初から友情や親切を期待してしまう甘えの姿勢 | 第5章(負けのマインド編) |
| リスペクト vs フレンドリー | 実力を認め合って得られる信頼(リスペクト)と、表面的な愛想(フレンドリー)の違い | 第5章(負けのマインド編) |
| Congruency | 信念と行動の一致。My Brand設計の原則(Congruent)と同じ概念が、逆境下での拠り所として再登場する | 第4章・第5章(負けのマインド編) |
| パースペクティブ | 本人が認識・意識できる世界の広さ。自ら望んで自分を追い込む挑戦によって拡張される | 第5章(パースペクティブ) |
| Comfort Zone | 安全でストレスの少ない領域。ここに留まる限り潜在能力は覚醒しない | 第5章(パースペクティブ) |
| 環境に適応する力 | 危機を感知することで、それまで眠っていた遺伝子・能力が次々と覚醒していく力 | 第5章(パースペクティブ) |
| 戦略あるキャリア/戦略なきキャリア | 前者の方が高く飛べるが、目的地への到達を保証するものではない | 第6章「不安」 |
| 永遠に拭えない不安 | 挑戦しない人生が生涯抱え続ける不安。挑戦する不安よりタチが悪いとされる | 第6章「不安」 |
| 自己保存の本能 | 不安の根源。チャレンジによって起こる変化が大きいほど強く発動する | 第6章「不安」 |
| 弱点の3パターン | ①強みと相反、②強みの強化、③相反するかどうか不明。努力して克服すべきは①のみ | 第6章「弱点」 |
| 組織力 | 自分の弱みを、その弱みを強みとして持つ他者の力を借りて埋める力。人を活かして問題を解決する術 | 第6章「弱点」 |
| ダイバーシティ(多様性) | オーケストラのように異なる個性・音色を組み合わせてチームの価値を作る発想 | 第6章「弱点」 |
| タイムラグ | 意識変化から行動変化までに必ず生じる時間差。これに耐える覚悟が行動変化の鍵 | 第6章「行動を変えたいときのコツ」 |
| マインドセット(意識変化) | 神経回路・筋肉の動きに意識して介入すること。実際の行動変化とは区別される | 第6章「行動を変えたいときのコツ」 |
| システム化 | 小さな成功を積み重ね、無意識の行動として定着させていく仕組み | 第6章「行動を変えたいときのコツ」 |
| 気づきとサポート | 育成に責任を持つ相手に対して与えるべき2つの関わり方 | 第6章「未来の君へ」 |
| 5分の1の成功 | 部下の行動変化のうち、まず認めるべき小さな進捗の目安 | 第6章「未来の君へ」 |
| アリとキリギリス(著者独自の再解釈) | 好きなことに夢中で取り組む人=アリ(発見の成功者)。好きでもないことに義務感で努力し続ける人=キリギリス | おわりに |
| 発見の成功者 | 好きなことを見つけて夢中で努力を重ねられた人 | おわりに |
| 森岡メソッド | 著者がUSJ再建で確立し、自ら創業した「刀」を通じて日本企業に広めているマーケティングの型 | おわりに |