# 「弱点」と向き合うには?
**中心主張**: 弱点克服に努力を注ぐべきなのは「自分の強みと相反する弱点」のときだけ。それ以外の弱点は無理に克服しようとせず、多様な人材の力を借りる「組織力」で補うべきである。
**論の展開**:
- 弱点は3パターンに分類できる。①自分の強みの特徴と相反する行動が求められる場合、②自分の強みの特徴をより強化する場合、③強みと相反するかどうかわからない場合。
- 努力して克服すべきなのは①のみ。②は素直に伸ばして良い(そもそも弱点ではなく伸びしろ)。③はまず量的な調査分析を行い、客観的に判断すべき課題である。
- 「できない」という理由が、努力不足なのか、やり方が悪いのか、それとも自分の特徴や特性上そもそも向いていないのかを見極める必要がある。
- 弱点克服のために時間とエネルギーを使うのは①のケースだけに限定し、それ以外は自分の強みをもっと強くするためのリソースに回すべきだ。
- 自分の弱みは、その弱みを強みとして持つ他者の力を借りて埋める「組織力」を身につけるべき。人を活かすことで問題を解決する術を持つことが、自分一人で全てを賄おうとするより遥かに重要。
- 多様性のあるチームはオーケストラに似ている。指揮者(リーダー)の仕事は、それぞれ異なる音色を持つ奏者の個性を組み合わせて、一つの完成された演奏を作り上げることだ。
- 著者が「刀」を創業した当初、売上が1円も立たない苦しい時期があったが、能力の凹凸が激しい仲間たちを集め、彼らと3年一緒に旅を続けた。3年目には社員は約30名まで増え、離脱者はほぼゼロ。凹凸の激しい人材こそが会社を支える力になった。
**実践指針**:
- 弱点を指摘されたら、まず「これは自分の強みと相反する弱点か」を確認せよ。
- 強みと相反しない弱点は無理に克服しようとせず、その領域を得意とする仲間の力を借りよ。
- チームを作るときは自分と似たタイプではなく、あえて凹凸の違う多様な人材を集めよ。
- リーダーは自分の弱みを隠さず晒し、周囲の力を借りる勇気を持て。それがチーム全体の価値を最大化する。
**根拠となる研究・事例**:
- グレン・ガンペル(USJ在籍時の同僚): 67歳まで単身赴任のまま12年間USJで働き続けた「達人」。年齢を重ねても挑戦し続ける実例として紹介される。
- 「刀」創業初期: 売上ゼロの時期を経ても社員がほぼ離脱せず、能力の凹凸が激しい仲間たちが3年でプロとして育ち、会社の顕著なビジネス結果を支えた。
**キーワード**:
- 弱点の3パターン: ①強みと相反、②強みの強化、③不明。①のみ努力対象。
- 組織力: 自分の弱みを他者の強みで補う力。人を活かして問題を解決する術。
- ダイバーシティ(多様性): オーケストラのように異なる個性・音色を組み合わせてチームの価値を作る発想。