# 第3章 自分の強みをどう知るか(前半:目的の仮説化とTCLフレームワーク) (章タイトルは part1 が第3章扉ページで確認した正式名。本文は part1 の扉から続く) **中心主張**: 目的は完璧な確信でなくてよく、"どんな状態でありたいか"という暫定的な仮説として立てればキャリア戦略が機能し始める。そして自分の「強み」は、好きなこと(特徴)とそれが活きる「文脈」がセットになって初めて発揮されるものであり、T(考える力)・C(伝える力/人と繋がる力)・L(変化を起こす力/人を動かす力)という3つの基礎的なコンピテンシーに自分の好きな行動を仕分けることで、進むべき職能選択の精度が上がる。 **論の展開**: - 目的が曖昧だと戦略も立てられない。目的は具体的な"職業"や"やること"から発想するのではなく、"どんな状態ならハッピーか"という抽象度の高い仮説からスタートしてよい(弟くんへの理想状態からの逆算エピソード)。 - 目的に一貫性を持たせてキャリアの専門性を縦方向に積み上げる方が、成果への納得度も市場価値も上がりやすい。暫定的な目的でも早めに定め、その方向へ専門性を"貯金"していく方が得。 - 自分の強みを知るには、生まれてから今日までの「好きだったこと」を最低50〜100個ポストイットに書き出し、それを名詞ではなく"動詞"で括る作業が有効。 - 動詞をT(Thinking)・C(Communication)・L(Leadership)の3系統に仕分けると、経験上8割以上の人はどれか1〜2系統に集中する。1系統集中型は尖った強み、2系統併用型は器用型、3系統均等分散は極めてレアな特徴(器用貧乏になりがちだがそれ自体を武器にする勝ち筋もある)。 - 番外編として I(Innovation/Creativity/Imagination=革新性・創造力・想像力)という第4の資質があり、著者自身もT型だと思い込んでいたが、実は「面白いことを考える」というI型寄りだったと自己分析している。 - T/C/Lそれぞれに向いている典型的な趣味・動詞・職種が異なり、それに沿って職能選択の精度を上げられる。 **実践指針**: - 目的が定まらない場面では、いきなり具体的な"職業"や"やること"から考えるな。まず"どんな状態ならハッピーか"を思い切り想像し、そこから逆算せよ。 - 自分の強みを知りたい場面では、抽象的に内省するのではなく、好きな行動を最低50個以上ポストイットに書き出し、"動詞"で分類せよ(名詞は不要)。 - ポストイットを仕分ける場面では、T/C/Lのどれに集中しているかを数え、自分の系統タイプ(1系統集中/2系統併用/3系統分散)を把握し、それを軸に職能を選べ。 - 職能を選ぶ場面では、T型なら知的好奇心が刺激される領域(興味の持てるジャンル)であることを専門性そのものより優先せよ。興味の有無が継続力を左右する。 **根拠となる研究・事例**: - 著者の弟(中学生)への実験 → 「どんな職能を極めたいか」ではなく「5人の家族を養ってハッピーな状態」を先に描かせる → そこから逆算して「稼げる状態」「そのための高校・大学選び」という具体的な進路戦略が自然に導かれた、という「理想状態からの発想法」の実例。 - ポストイット法の実務手順 → A4用紙4枚(左上にT・C・L・それ以外と明記)に、好きな行動を動詞化して貼っていく。最低50個、できれば100個くらい。 - 著者自身のI型自己分析 → 経営者・起業家としてスキルと経験を積む中で、漠然とT(戦略構築や数値分析)だと思っていたが、実際は独創的な発想(I:創造力)こそが自分の核だったと気づいた逸話。 - T・C・Lそれぞれの典型例 → T:将棋・囲碁・読書・プログラミングが好きで、ファイナンス、コンサルタント、研究職、各種士業、アナリスト、マーケティング、企画系に向く。 C:SNS・パーティー・旅行・ファッションが好きで、プロデューサー業、営業職全般、PR/広報、交渉人、広告代理店、ジャーナリスト、政治家に向く。 L:ランニング・トライアスロンなどストイックな挑戦が好きで、管理職、経営幹部、プロジェクトマネージャー、プロデューサー、研究開発リーダーに向く。 **キーワード**: - **目的の仮説化**: 目的は完璧な確信でなくてよく、暫定的な仮説として設定し、後から何度でも修正してよいという考え方。 - **一貫性**: 目的の方向にキャリアの専門性を積み上げ続けることで得られる、資産としての価値の蓄積(「貯金」の比喩)。 - **特徴と文脈のセット**: 個人の"特徴"だけでは強みにならず、それが活きる"文脈"と組み合わさって初めて"強み"になるという原則。 - **T(Thinking)/C(Communication)/L(Leadership)**: ビジネスパーソンとしての基礎能力(コンピテンシー)の3分類。考える力/伝え繋がる力/変化を起こし人を動かす力。 - **I(Innovation・Creativity・Imagination)**: 番外編として位置づけられる第4の資質。斬新な発想を生み出す力。