# 第6章 自分を育てるセルフ働き方改革① 仕事への向き合い方 ※本ノートは part3 に収録された範囲(章の冒頭〜「上司の『時間』ではなく『仕事』を奪え」まで)を扱う。**この章は part3 の最終ページで途中のまま終わっており、続きは part4 に続く。** **中心主張**: 同じ環境で仕事をしていても、臨むスタンス次第で成果と成長には雲泥の差が生じる。その根幹は「自律心」であり、環境や上司に何かを"してもらう"前提の「くれない族」から抜け出すことがすべての起点になる。そのうえで、学び方(今日わからなかったことは今日解消する/自分で調べてから聞く/人に教える)、期限厳守、選択の作法(大きくなるほうを選び、選んだ後の行動で正解にする)、そして矢面に立つ量を積み上げることが仕事力を作る。 **実践指針** - 困ったことがあったとき「教えてくれなかった」「指示してくれなかった」「助けてくれなかった」と思ったら、自分が「くれない族」になっていると自覚して思考を止める。上司や先輩が教えるのは仕事だが、同じ環境でも伸びる人は伸びる。 - 会議で初めて聞く言葉や曖昧にしか理解していない言葉が出たら、その都度メモし、今日中に調べて解消する。「今日わからなかったことは今日中に解消する」が成長の一番の近道。 - わからないことをすぐ上司に聞かない。まず自分で徹底的に調べ、「ああでもない、こうでもない」と思考を巡らせ、「○○という理解で正しいか?」という仮説ができた段階で聞きに行く。すぐ手に入った回答はすぐ忘れる。 - 学びを最大化したいなら人に教える。教えるには言語化が必須で、暗黙知を形式知に変換する過程で知識や経験が「再現可能な知恵や知見」に変わる。口頭より文章にするとさらに効く。 - 仕事を依頼されたら、最初に期限と、その期限までに求められるクオリティの両方を確認する。 - 期限までに100点を自力で出せそうにないなら、途中で1〜2回の相談会を設けさせてもらい、50点→70点→100点に近づける。前日や当日に「終わりませんでした」は信頼を失う最悪の手。 - 悩んだら「自分が大きくなれそうなほう」を選ぶ。ラーメンかカレーか程度の選択で悩まないのは失敗のリスクが小さいから。リスクが大きい選択ほど、内心で「チャレンジしたい」と思っているなら思い切ってやる。 - 大きな選択(就職・転職など)を前に足がすくんだら、「正しさは選択した瞬間には決まらない」と考える。直感で選び、その直感を正しいものにするようひたむきに努力する。 - 会議にただ座るのではなく、自分がしゃべる立場に立つ。上司の代打でプレゼンを任された瞬間の「自分がやるんだ」というヒリヒリ感こそが累積矢面時間になる。持ち帰って資料を作るだけの仕事は矢面時間に積算されない。 - クライアントが抽象的な悩みを口にしたら「持ち帰ってまとめます」と言わない。その場で100往復のキャッチボールをして、要求の解像度を上げ、「あなたと話して課題が明確になった」と言わせる。 - 引き出しの量は本を死ぬほど読んで増やし、ブログやnoteを書いて中身をReadyな状態に整理する。瞬発力は累積矢面時間でしか上がらない。この2つを愚直に繰り返す。 - 上司の「時間」を奪う側から、「仕事」を奪う側に回る。「ここから先は私がやるのでもう大丈夫です」と言えるようにする。そのために上司の仕事内容と、その仕事の背景・目的を理解しておく。 - 上司の上司が何を考え、どんな問題意識で上司に仕事を依頼しているかを日頃から推察する習慣を持つ(=2つ上の上司を見て仕事をする)。 **根拠となる考え方・事例** - 学び方の根拠として、サッカー漫画『アオアシ』の東京シティ・エスペリオンユース福田達也監督の言葉「自分でつかんだ答えは一生忘れない」を引用。 - 期限の考え方:「期限をすぎた100点の資料は、期限通りの70点に劣る」。仕事力とは段取り力である。 - 選択について、著者は「人生をやり直せるとしたらどのタイミングから?」と問われ「どこからもやり直さない。もう一度生まれ変わっても、すべて同じ選択をする」と答えた。人より多くの失敗をしてきたが、選択後の行動と解釈がそれらを正しいものにしたという立場。転職後に「クソみたいな会社だ」と言う人は、どの会社に行っても同じことを言う。 - 「仕事力=引き出しの量 × 瞬発力」の手本として『千と千尋の神隠し』の釜爺を挙げる。札が降りた瞬間、6本の腕が無意識に伸びて必要な薬草の引き出しを開ける状態。 - 累積矢面時間は元・野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部 主任コンサルタント 鈴木良介氏の言葉。鈴木氏は「ビッグデータといえば鈴木」「IoT×AIといえば鈴木」というポジションを獲得し、「戦略的・計画的にキャリアを作るには、どれだけクライアントとの矢面に立ち、成功と失敗の経験を積んだか。それに尽きる」と説く。 - 上司の仕事を奪うと、上司はより抽象度の高い仕事に時間を使えるようになりチーム全体の生産性が上がる。結果として信頼と評価が高まり、部下は昇進・昇格・昇給する。 - 章内のワークでは累積矢面時間を数値化させる:先週の矢面時間×52=年間想定累積矢面時間(A)、A ÷ 2080時間(年間所定内労働時間)×100=年間累積矢面時間比率。 **キーワード** - くれない族: 「教えてくれなかった」「指示してくれなかった」「助けてくれなかった」と考えがちな他律的な人。仕事で最も重要な自律心の対極。 - 暗黙知/形式知: 「自分がやるならできる」という言語化されていないノウハウが暗黙知。人に教えるために言語化して再現可能にしたものが形式知。 - 仕事力=引き出しの量 × 瞬発力: 知識の蓄積量と、それを瞬時に取り出して動的な会話を紡ぐ力の掛け算。読書で引き出しを増やし、矢面時間で瞬発力を上げる。 - 累積矢面時間: 自分が当事者としてクライアントや聴衆の前に立ち、逃げ場のない状態で対応した時間の累積。ただ会議に同席したり、社内で資料を作るだけの時間は含まれない。 - 要求定義: 著者の造語的用法で、システム開発の要件定義の前に行なう工程。顧客の抽象的な発言を受け止め、何が優先順位の高い課題なのかを対話の中で明確にする作業。 - 上司の仕事を奪う: 上司の時間を奪う(相談・確認・FB依頼)のではなく、上司の業務そのものを引き受けること。社内で一目置かれる一番の早道。 - 2つ上の上司を見て仕事をする: 上司の上司の問題意識まで推察して動くこと。上司の仕事を奪える部下に共通する習慣。 **(part4に続く)** — 第6章は「上司の『時間』ではなく『仕事』を奪え」のワークで part3 が終了しており、章はまだ完結していない。