# 第4章 自分の価値と給料を上げるために知っておくべきこと(part3に続く) > 注記: この章は part2 の p38(章扉)から始まり、p50 で「専門スキルを持った部門責任者のベクトルと価値の面積」の説明途中で分冊が終わっている。以降は part3 のノートを参照。 **中心主張**: まだ何者でもないうちは、認知度(WHOの力)を追いかけても意味がない。「何ができるか」(WHATの力)を磨いて発信することで、結果として認知度が後からついてくる。そして給料は、スペシャリスト方向とゼネラリスト方向という2本のベクトルが作る「価値の面積」で決まる。専門性だけを深掘りする一匹狼は面積が伸びず、いずれ昇給の天井にぶつかる。 ## 実践指針 - **SNSを仕事に活かしたい場面では**、目的を「あなたを知っている人」を増やすことではなく「あなたを信頼・尊敬してくれる人」を増やすことに設定せよ。単なるつながりに意味はない。 - **仕事を始めて間もない場面では**、フォロワーを増やしてWHOの力を上げるより、WHATの力(何ができるか)を磨け。順番を間違えてはいけない。何者でもないうちは誰もあなたに興味がない。 - **発信の場を選ぶ場面では**、Twitter・Instagram・TikTok・YouTubeではなくnoteやブログのような長文の場を使え。前者はカフェや居酒屋での会話であり、noteは講演やセミナーである。会話で尊敬を得るのは至難だが、講演なら内容と質で一目置いてもらえる。 - **発信する内容を決める場面では**、自分が学んだことや問題意識から得た「再現可能な方法や考え方のフレームワーク」を出せ。読者の役に立つWHATであることが条件。 - **給料を上げたい場面では**、「専門性を高める」だけでなく「自分がいることで会社が創造する価値の拡大にどれだけ影響を与えられるか」で考えよ。それがすべてである。 - **部下を持ちたくないと感じた場面では**、その選択自体は自由だが、ゼネラリスト値が1のままなら価値の面積が伸びず昇給が頭打ちになることを理解したうえで選べ。 - **一匹狼のまま影響範囲を広げたい場面では**、直属の部下を持たなくても、社内勉強会の講師として専門性を横展開する、自分が入れば必ずコンペに勝つといった形で、他者の業務スキルや成果に影響を与える道を取れ。 - **キャリアの最初の場面では**、まず自分自身が一人前になることに集中せよ。最初から部下を持つ人はいない。 ## 根拠となる考え方・事例 - **WHAT→WHOの順序**: ブログで学びやフレームワークを発信し続けると「この筆者が誰かは知らないが良いことを言う」とWHATの力が上がる。それを続けると「いつも○○のテーマでわかりやすいnoteを書いている△△さん」とWHOの力が上がる。 - **高野修平氏の事例**(トライバルメディアハウス執行役員・モダンエイジ事業本部長): 音楽業界への恩返しを動機に、業界人向けのブログを1記事3000〜5000字、時に1万字超で「毎日のように」発信し続けた。半年後に出版が決まり処女作『音楽の明日を鳴らす 〜ソーシャルメディアが灯す音楽ビジネスマーケティング新時代』(エムオン・エンタテインメント、2012年)を刊行。人気ブロガー→3冊の著者→講演・企業内研修講師→大学講師へ。創設した事業本部は数年で20人規模に成長。「ブログを書く→本を出版する→講師になる→クライアントからの相談が増える→本業が成長する→知識や経験が増える→ブログや本を書く」というポジティブスパイラルの例として紹介される。 - **価値の面積モデル**(縦軸=スペシャリスト方向、横軸=ゼネラリスト方向、面積=価値の総和): - 新卒社員: 1 × 1 = 1 - 中堅社員(2〜3年、限定領域では一人前だが部下なし): 3 × 1 = 3 - チームリーダー(同じスペシャリスト値3で、後輩や中途社員の支援を積極的に行い3年目で2人の部下を持つ): 3 × 3 = 9 - 一匹狼型スペシャリスト(社内トップクラスだが部下なし): 10 × 1 = 10。一定レベルまでは上がるがいずれ天井にぶつかる。 - マネージャー・部長(専門性は5だが部門全体の価値拡大を主導): 5 × 10 = 50。一匹狼型より高くなる。 - 専門家としても一流で部門責任者としても価値拡大に寄与する人材: 10 × 10 = 100。本書のいう「指揮者」「スーパーゼネラリスト」(第1〜2章で既出)。 - **昇給の原理**: ゼネラリスト方向への拡張は「自分1人が創造する価値」から「チームとして創造する大きな価値」への拡大であり、だから昇給する。 - **スペシャリスト信仰への反論**: 「手に職をつけたい」「特定の専門を持たないゼネラリストは転職に不利」という近年の風潮に対し、著者は第1章で述べたとおりそれは正しくないと再度否定している。 - **図の但し書き**: 面積はあくまで「たとえ」であり、給料が文字どおり3倍・50倍になるわけではない。 ## キーワード - **WHOの力**: あなたの認知度。「誰が言っているか」の力。 - **WHATの力**: 何ができるか。提供できる内容と質の力。若手はこちらを先に磨くべきとされる。 - **価値のベクトル**: 給料を決める2つの方向性。スペシャリスト方向(特定領域の専門スキルを深掘り)とゼネラリスト方向(複数の直属の部下を持ちチームや部門をマネジメント)。 - **価値の面積**: スペシャリスト値 × ゼネラリスト値。給料(年収)はこの面積で決まるという本書のモデル。 - **一匹狼型スペシャリスト**: 部下を持たず専門性のみを深める働き方。スペシャリスト値10でもゼネラリスト値1のため面積10で頭打ちになる。 - **スーパーゼネラリスト(指揮者)**: 専門性も一流かつ部門の価値拡大も主導できる、面積100の最強人材。第1〜2章で定義された本書の理想像。