# 13 PMBOK第7版での変更について **中心主張**: 第6版までのPMBOKは「プロジェクトをどのようにマネジメントするか」という手段やプロセスに力点を置いていた。第7版は、ビジネスを取り巻く環境の変化を受けて「プロジェクトの成果物がもたらすビジネスの成果や価値は何か」を問う方向に移り、型にはまった手順に従うのではなく柔軟なプロジェクトマネジメントを求める構成になった。ただし第7版は第6版に取って代わるものではなく、両方を併用して理解するのが正しい捉え方である。 **実践指針** - 第7版を読む場面では、「手法」ではなく「姿勢や考え方、何を取り組むのかといった上位レベルの視点」として捉えよ。手順書としては読まない。 - プロジェクトの進め方を決める場面では、型にはまった手順に従うのではなく、原理・原則に沿って柔軟にマネジメントせよ。不確実で将来の予測が困難な状態で成果物の価値を最大化するには、これが前提になる。 - 具体的なプロセスやITTO(インプット・ツールと技法・アウトプット)が必要な場面では、第6版を参照せよ。第7版はそれに取って代わるものではない。 - 予測型以外のプロジェクト(適応型・ハイブリッド)を扱う場面では、第7版を使え。第6版は予測型を中心にしたほとんどのプロジェクトが対象だったが、第7版はすべてのプロジェクトが対象になった。 - プロジェクトマネジャー以外の関係者を巻き込む場面では、第7版を共通言語として使え。対象者が「主にプロジェクトマネジャー」から「プロジェクトに関わるすべての人」に拡張された。 - ツールや技法を探す場面では、デジタルプラットフォーム「PMIstandards+」を参照せよ。デジタル化により、柔軟かつ迅速に新しい情報が追加される。 **根拠となる事例・考え方** 第6版と第7版の主な違いは6点。①プロジェクトマネジメント標準: 第6版はプロセスに特化し成果物を生み出すことに焦点、第7版は原理・原則に沿って取り組み、成果物に加えてそれによってもたらされる成果や効果に焦点。②知識体系: 第6版はITTOを基に各知識エリアのプロセスを詳しく解説、第7版は成果を出すために必要な関連する活動の集まり(パフォーマンス領域)に、テーラリングやモデル・手法・成果物が加わった形。③テーラリング: 第6版は各知識エリアで手順や成果物などの標準をつくり実行していく考え方、第7版はプロジェクトや顧客のニーズに合わせてテーラリングする具体的なガイダンスが独立した章で紹介。④プロジェクトの適用: 第6版は予測型中心、第7版は予測型・適応型・ハイブリッドなどすべて。⑤対象者: 第6版は主にプロジェクトマネジャー、第7版はプロジェクトに関わるすべての人。⑥ツールや技法: 第6版はITTOが各知識エリアで紹介、第7版は「PMIstandards+」というデジタルプラットフォームで提供。 構造としては、12の原理・原則が「振る舞いの指針となる」ものとして上位にあり、その下にプロジェクト・パフォーマンス領域(ステークホルダー、チーム、開発アプローチとライフサイクル、計画、プロジェクト作業、デリバリー、測定、不確かさ)が相互に関連する形で配置される。 **キーワード** - **PMBOK第7版**: 原理・原則とパフォーマンス領域を軸とする版。価値と成果に焦点を当て、あらゆるプロジェクトと、プロジェクトに関わるすべての人を対象にする。 - **ITTO**: インプット・ツールと技法・アウトプット。第6版が各プロセスを解説する際の枠組み。 - **PMIstandards+**: 第7版で提供される、技法やツールなどの情報を提供するデジタルプラットフォーム。 - **予測型/適応型/ハイブリッド**: プロジェクトの進め方の類型。第7版はすべてを対象とする。