# 10 万が一に備える「プロジェクト・リスク・マネジメント」 (対応する童話: 「ヘンゼルとグレーテル」) **中心主張**: リスク・マネジメントは、プロジェクトの脅威に備えるだけでなく、好機を活かすためにも行う。リスクを特定し、分析して優先順位をつけ、対応計画を立て、実行し、そして継続的に再査定する。特定を一度きりで終わらせ、再査定を怠ることが最大の失敗パターンである。 **実践指針** - 計画の場面では、どのようにリスクを特定・分析し、対応計画を立てるのか、監視や監査をどう行うのかを先に決めよ。リスクマネジメント活動の役割分担、実行時期と頻度、リスクの分類、予算化まで含めてリスク・マネジメント計画に文書化する。 - リスクを洗い出す場面では、通常は関係者全員で行え。一人の視点では抜ける。 - 洗い出したリスクは、リスク登録簿として一覧にまとめよ。 - 原因を掘る場面では、「なぜ?」と問いかけを繰り返して根本原因を追究し、リスクを分類管理せよ。 - プロジェクトが進行する場面では、新たにリスクが判明することがあるため、リスクの適宜見直しや洗い出しを繰り返せ。「偶然リスクを特定した」状態で満足するな。 - 優先順位をつける場面では、リスクが発生する確率と、スコープ・スケジュール・コスト・品質などへの影響度を査定せよ(定性的分析)。あわせてリスク対応の緊急性やリスクの許容度も検討する。必要なら、優先度が高いリスクについてプロジェクト目標全体に与える影響を定量的に分析せよ。 - 対応を計画する場面では、脅威を減少させる策と、好機を最大限活かす策の両方を立て、必要な資源や活動をプロジェクトマネジメント計画書に反映せよ。 - 実行後の場面では、リスクの追跡、既存リスクの監視、新たなリスク特定を継続的に実施し、定期的にリスク監査を行ってリスク計画や対応の有効性を評価せよ。 **根拠となる事例・考え方** 「ヘンゼルとグレーテル」では、ヘンゼルが偶然リスクを特定した。本来、リスクの洗い出しは関係者全員で行い、その一覧をリスク登録簿としてまとめるものである。また、ヘンゼルは人食い魔女と対面した時のようにリスクへ対応したが、リスクの再査定を行っていなかった。定期的にリスク監査を行い、リスク計画や対応の有効性を評価する必要がある。 STEPの流れは、①リスク・マネジメント計画(特定・分析・対応・監視の方法、役割分担、実行時期と頻度、リスクの分類、予算化)→②リスクの洗い出しとリスク登録簿への記載、「なぜ?」の反復による根本原因の追究と分類管理、進行に伴う適宜見直し→③定性的リスク分析(発生確率と影響度、対応の緊急性、許容度を検討して優先順位づけ)と、必要に応じた定量的分析→④対応計画(脅威の減少、好機の最大活用)と、必要な資源や活動のプロジェクトマネジメント計画書への反映、リスク登録簿の更新→⑤リスク対応計画の実行、リスクの追跡・監視・新規特定の継続、定期的なリスク監査。 **キーワード** - **リスク**: プロジェクトの脅威(ネガティブ)だけでなく、好機(ポジティブ)も含む不確実な事象。 - **リスク登録簿**: 洗い出したリスクを一覧にまとめ、分析結果や対応策を記入・更新していく文書。 - **定性的リスク分析**: 発生確率と影響度を査定し、対応の優先順位を付ける分析。 - **定量的リスク分析**: 優先度が高いリスクについて、プロジェクト目標全体に与える影響を数値で分析すること。 - **リスク監査**: リスク計画や対応の有効性を定期的に評価する活動。 - **リスクの再査定**: 状況変化を踏まえてリスクを見直すこと。これを怠ると対応策が陳腐化する。