# 7 必要とされる品質を実現する「プロジェクト品質マネジメント」 (対応する童話: 「3匹の子ブタ」) **中心主張**: 品質マネジメントが管理するのは、プロジェクトで生み出すモノやサービスなどの「成果物の品質」と、それをつくる「作業自体の品質」の両方である。品質基準を定め、どう測定・確保するかを計画書にまとめ、検査項目やチェックリストで監査し、異常が見つかれば変更要求として処理する。 **実践指針** - 品質を扱う場面では、成果物の品質と作業(プロセス)の品質を分けて定義せよ。片方だけを管理しても品質は担保できない。 - 計画の場面では、成果物の品質基準や品質要求事項を定め、その品質をどのように測定し、確保するかを品質マネジメント計画書としてまとめよ。 - 家づくりのように成果物の出来が命運を分ける場面では、着手前に必ず品質基準を設定せよ。基準を決めないまま作り始めることが失敗の原因になる。 - 実行の場面では、品質検査項目やチェックリストを作成し、品質目標の達成のために必要な改善計画を立てよ。 - 監査の場面では、計画が適切に実行されているかを監査し、非効率なプロセスや効果のない手順がないかを調査・分析して改善策を提案せよ。品質は成果物の検査だけでは守れない。 - 検査で異常が発見された場面では、変更要求を出せ。品質検査結果や変更作業の結果はレビューし、記録に残す。 - 品質管理や改善を効率的に行いたい場面では、QC7つの道具を使い分けよ。原因の優先順位づけにはパレート図、根本原因の解析には特性要因図を使う。 **根拠となる事例・考え方** 「3匹の子ブタ」で、2匹のお兄さんブタが失敗した原因の一つは、家の品質基準を設定しなかったことである。ワラや木の家は「早く建つ」という点では計画通りだったが、狼に耐えるという品質要求を満たしていなかった。品質基準を先に定めていれば、材料選定の時点で不適合が検出できた。 STEPは、①品質基準・品質要求事項の定義と品質マネジメント計画書の作成、品質検査項目とチェックリストの作成、改善計画の立案→②計画を実行に移し、計画が適切に実行されているかを監査。非効率な、あるいは効果のないプロセスや手順がないかを調査・分析し、改善策を提案する。成果物の品質検査や、各プロセスあるいは変更作業の結果をレビューし、品質マネジメント計画通りに品質を確保しているかを監視・記録する。 QC7つの道具は次の通り。パレート図(問題の原因を発生頻度の多い順に並べて表示)、特性要因図(原因と結果を系統的に表した図。根本原因の解析に利用)、グラフ/管理図(折れ線・棒・円グラフなどで観測値を視覚化)、チェックシート(チェックする項目の表)、ヒストグラム(データの分布を棒グラフで表現)、散布図(二つのデータの関係を示す図)、層別(階層構造や分類を考慮してデータをまとめる)。 **キーワード** - **成果物の品質/作業自体の品質**: 品質マネジメントが管理する2つの対象。前者は生み出すモノやサービス、後者はそれをつくるプロセス。 - **品質マネジメント計画書**: 品質基準・品質要求事項と、その品質をどう測定・確保するかをまとめた文書。 - **品質検査項目/チェックリスト**: 品質目標の達成を確認するための具体的な検査手段。 - **QC7つの道具**: パレート図、特性要因図、グラフ(管理図を含む)、チェックシート、ヒストグラム、散布図、層別。品質管理や改善を効率的に行うための道具立て。