# 6 予算内に成功させる「プロジェクト・コスト・マネジメント」
(対応する童話: 「3匹の子ブタ」)
**中心主張**: コスト・マネジメントは、所定の予算内でプロジェクトを完了させるために必要な、予算の見積もり・管理・調整を行う活動である。ここでもまず「どうやってコストを見積もり、予算を設定し、支出を監視・管理していくのか」という方針と手順をつくることが先で、そのうえでアクティビティ単位の積み上げ→予算算出→コストベースライン→アーンド・バリュー法による監視という順に進む。
**実践指針**
- コストを扱う場面では、実際に管理する前に方針をつくれ。ステークホルダーと相談し、コストをどの単位(時間/日など)で管理するのか、コストに関する報告の内容や頻度をどうするかを決めておく。
- 見積もる場面では、アクティビティを完了するために必要な人員・機器・材料などの資源のコストを積み上げよ。段階的詳細化の観点で、適宜コストを見直す必要がある。
- 初期段階の場面では、抜け漏れや見積もり誤りがないように関係者と十分に検討し、レビューせよ。初期の見積もりほど誤差が大きい。
- リスクに備える場面では、あらかじめコンティンジェンシー予備と呼ばれる予備費を予算に盛り込め。
- 予算を確定する場面では、アクティビティごとの見積もりを集計してプロジェクト全体の予算を算出し、スケジュールを基に時間軸に沿って配分せよ。これをコストベースラインとし、ステークホルダーの承認を得る。
- 実行中の場面では、実際に費やした費用と当初予定していた予算をアーンド・バリュー法などで比較し、コスト超過やスケジュール遅延を把握して総予算の予測を行え。
- 差異が出た場面では、予定通り進められるように是正処置を提案するか、予算やスケジュールの変更要求を行い、承認された変更要求に応じてベースラインを更新せよ。
**根拠となる事例・考え方**
「3匹の子ブタ」では、末っ子の子ブタが作業時間を予測する際にコスト見積もりも行っていた。作業時間の見積もりとコストの見積もりが一体で扱われている点が、スケジュールとコストの連動を示している。
アーンド・バリュー・マネジメント(EVM)は、コストだけでなくスコープやスケジュールも金銭的価値に置き換えて進捗管理する方法である。具体的には、ある時点までに行う予定の活動などにかかる予算上のコストであるプランド・バリュー(PV)、ある時点までに完了した活動などを金銭価値に換算したアーンド・バリュー(EV)、その時点までに費やした実際のコスト(AC)を使用して、コストの超過やスケジュールの遅延を視覚的に分析する。
**キーワード**
- **コンティンジェンシー予備**: リスク発生に備えて、あらかじめ予算に盛り込んでおく予備費。
- **コストベースライン**: プロジェクト全体の予算をスケジュールに沿って時間軸に配分した、承認済みの基準。ステークホルダーの承認を得て確定する。
- **アーンド・バリュー・マネジメント(EVM)**: コストだけでなくスコープやスケジュールも金銭的価値に置き換えて進捗管理する方法。
- **プランド・バリュー(PV)**: ある時点までに行う予定の活動などにかかる、予算上のコスト。
- **アーンド・バリュー(EV)**: ある時点までに完了した活動などを金銭価値に換算した値。
- **実コスト(AC)**: その時点までに費やした実際のコスト。