# 5 納期を守る「プロジェクト・スケジュール・マネジメント」
(対応する童話: 「3匹の子ブタ」)
**中心主張**: スケジュール・マネジメントは、期限内にプロジェクトを完了させられるようにスケジュールを作成し、管理・調整を行う活動である。要点は、いきなりスケジュールを引かずに「どうやって作業時間を見積もり、スケジュールを立て、管理していくのか」という方針と手順を先に決めること、そしてWBSからアクティビティへ分解し、順序・資源・期間を積み上げてベースラインを作ることにある。
**実践指針**
- スケジュールを立てる場面では、まずスケジュールそのものではなく、見積もり方法・作成手順・管理方法の方針をつくれ。進捗をどの情報でどの単位(時間/日/週など)で把握・管理するのかもここで決める。
- 作業を洗い出す場面では、WBS最下層のワークパッケージをアクティビティに分解し、アクティビティ・リストと各アクティビティの属性として記述・管理せよ。
- 順序を決める場面では、依存関係を明示し、プレシデンス・ダイアグラム法などでアクティビティ間の論理的順序関係をネットワーク図にまとめよ。順序を曖昧にしたまま日程だけ引くな。
- 期間を見積もる場面では、必要な資源量を先に見積もり、そのうえで所要期間を決めよ。プロジェクトの状況や特徴を考慮して見積もり方法を使い分ける。
- ベースラインを作る場面では、アクティビティの予定開始日と終了日を決め、進捗確認の基準となるスケジュール・ベースラインとせよ。
- スケジュールを可視化する場面では、ガントチャートを使い、特定の時期に作業負荷・人員・資源が集中しないよう平準化を図れ。
- 遅れが出た場面では、まず進捗状況を実績とベースラインの比較で把握し、そのうえでクラッシングやファスト・トラッキングなどの是正処置を提案するか、スケジュールの変更要求を行え。変更要求が承認されたら、ベースラインを更新せよ。
**根拠となる事例・考え方**
「3匹の子ブタ」の末っ子の子ブタは、家を建てる候補地の調査時間を見積もる前にアクティビティを洗い出していた。順序についても、アクティビティの順序を明確にしたうえで適切に設定していた。所要期間の見積もりでは、必要な作業時間を見積もるためにお母さんブタと相談し、作業量や使用する資源量を見積もって所要期間を決めていた。スケジュール作成にあたってはガントチャートを利用していた。
STEPの流れは、①スケジュール・マネジメント計画(方針と手順)→②WBS最下層のワークパッケージをアクティビティに分解し、アクティビティ・リストと属性を作成→③依存関係(順序関係)をプレシデンス・ダイアグラム法などでネットワーク図に整理→④資源量と所要期間の見積もり→⑤アクティビティの予定開始日・終了日を決め、順序・資源の利用可能状況・所要時間・制約条件を踏まえてスケジュールとスケジュール・ベースラインを作成、作業負荷や資源の集中を避けて最適化→⑥実績とベースラインの比較による進捗把握、遅れがあればクラッシングやファスト・トラッキングによる是正、承認された変更要求に応じたベースライン更新。
**キーワード**
- **アクティビティ**: WBS最下層のワークパッケージを、より具体的な作業に分解した単位。
- **アクティビティ・リスト/アクティビティ属性**: 洗い出したアクティビティの一覧と、各アクティビティの詳細情報(順序、必要資源、所要期間など)。
- **プレシデンス・ダイアグラム法(PDM)**: アクティビティ間の依存関係(順序関係)を表現し、ネットワーク図にまとめる手法。
- **スケジュール・ベースライン**: 進捗確認の基準となる、承認済みのスケジュール。
- **ガントチャート**: 作業と期間を横棒で可視化する図。作業負荷や資源の集中を確認し平準化するのに使う。
- **クラッシング**: 資源を追加投入して所要期間を短縮する是正手法。
- **ファスト・トラッキング**: 本来は順に行う作業を並行させて期間を短縮する是正手法。