# 3 プロジェクトマネジメントの各作業を統合する「プロジェクト統合マネジメント」
(対応する童話: 「3匹の子ブタ」「アリとキリギリス」「ヘンゼルとグレーテル」)
**中心主張**: 統合マネジメントは、プロジェクト全体の方針を決め、他の9つの知識エリアで定義されている手順や活動をまとめ、調整するプロセスである。憲章で始まり、計画書に束ね、実績と計画の差を見て変更を管理し、最後に正式に終わらせるという4ステップが、プロジェクトの背骨になる。
**実践指針**
- プロジェクトを始める場面では、キックオフミーティングの**前に**プロジェクト憲章を作成し、公式に認可させよ。憲章はプロジェクトを定義し、プロジェクトマネジャーを任命する文書である。
- 計画をつくる場面では、各知識エリアの計画をバラバラに持たず、プロジェクトマネジメント計画書に取りまとめよ。分かる範囲で計画し、段階的詳細化の観点で更新していけばよい。
- 実行の場面では、計画された作業を着実に進めるだけでなく、作業の実績情報を収集し、当初の計画と定期的に評価せよ。差異があれば変更要求として扱い、承認されて初めて変更作業に着手する。
- 変更要求が出た場面では、認めるかどうかを決めて管理せよ。変更要求はレビューし、変更するかしないかを決める必要がある。放置するとスコープが肥大化し、スケジュールやコストに波及する。
- 変更が承認された場面では、ベースラインと関連文書を必ず更新せよ。承認だけして基準を更新しないと、以後の進捗判断がすべて狂う。
- 終わらせる場面では、完成した最終成果物をステークホルダーに確認してもらい、正式にプロジェクトを終了させよ。あわせて教訓を含めて記録として残す。
**根拠となる事例・考え方**
【STEP1】プロジェクト憲章の作成。「3匹の子ブタ」では、末っ子の子ブタがお母さんブタからもらった資料がプロジェクト憲章にあたる。
【STEP2】プロジェクトマネジメント計画書の作成。末っ子の子ブタは憲章(母からの資料)を確認しながら、分かる範囲で計画を立て、それを計画書としてまとめていた。このプロセスは段階的詳細化の観点で、各知識エリアで分かってきた情報や状況を基に更新される。
【STEP3】実行の指揮・マネジメント。「アリとキリギリス」のアリのように、計画された作業を着実に進め、実績を定期的に評価する。アリはプロジェクトを進める上で基準となるベースラインと、実施した作業の結果であるパフォーマンス実績値を比較し、進捗やリスク、プロジェクトの状況を監視・把握していた。
【STEP4】変更管理と終結。「ヘンゼルとグレーテル」では、目印となるものが小石からパンくずに変更された。本来はその変更要求をレビューし、変更するかしないかを決める必要がある。そうしないとスコープが肥大化し、スケジュールやコストに影響する。終結側では、「3匹の子ブタ」の末っ子が完成した家(最終成果物)をお母さんブタ(ステークホルダー)に確認してもらい、正式にプロジェクトを終了させた。
**キーワード**
- **プロジェクト憲章**: プロジェクトを始める前の立上げ段階で作成し、公式に認可させる文書。プロジェクトを定義し、プロジェクトマネジャーを任命する。
- **プロジェクトマネジメント計画書**: 各知識エリアの計画を取りまとめた、プロジェクトの方針と管理方法を記した中核文書。段階的詳細化により更新される。
- **段階的詳細化**: 分かってきた情報や状況に応じて、計画を段階的に詳しくしていく考え方。
- **ベースライン**: プロジェクトを進める上で基準となる、承認済みの計画(スコープ/スケジュール/コスト)。
- **パフォーマンス実績値**: 実施した作業の結果として得られる実績データ。ベースラインと比較して進捗やリスクを把握する。
- **変更要求**: 承認済みの計画や成果物への変更の申請。レビューして採否を決め、承認されたものはベースラインと関連文書に反映する。