# 【仮】PMBOKとは(第7版の原理・原則とパフォーマンス領域)※part4から続く章 > 注記: 第5分冊はこの節の**途中(原理・原則の一覧表)から始まっている**ため、節の冒頭と正式な見出しは part4 側にある。ここでは仮タイトルを付けた。扱う童話はなく、巻末の「PMBOK解説編」にあたる。 **中心主張**: PMBOK第7版は「決められた手順を守らせるルールブック」ではなく、プロジェクトの振る舞いの指針となる12の原理・原則と、注意を向け続けるべき8つのパフォーマンス領域で構成される。だからPMは、標準をそのまま適用するのではなく、プロジェクトの特徴や状況に合わせて取捨選択する(テーラリング)ことと、成果物の性質に合った開発アプローチ(ウォーターフォール/アジャイル/ハイブリッド)を選ぶことが出発点になる。 **実践指針** - 標準やテンプレートを導入する場面では、そのまま適用せず「このプロジェクトで何をやるべきか」を決め直せ(テーラリング)。組織のルールに現場を合わせるのではなく、現場に合わせてルールをつくる。 - 事前に要件が固まっている/大型で全体計画が要る場面では、ウォーターフォールを選べ。 - 新規事業の立上げなど要件が決められない場面や、アプリ開発のように短期間で更新を繰り返す場面では、アジャイル(短い反復単位でリリース)を選べ。 - 一つのプロジェクト内で不確定要素の濃淡がある場面では、ハイブリッドにせよ。不確定要素が多い部分はアジャイル、少ない部分はウォーターフォールで進める。 - 進め方を決める場面では、12の原理・原則を「チェックリスト」ではなく「振る舞いの指針」として使え。特に価値・システム思考・複雑さ・適応性と回復力は、手順書には書けない判断の拠り所になる。 - 状況を点検する場面では、8つのパフォーマンス領域を巡回して抜けを探せ(ステークホルダー/チーム/開発アプローチとライフサイクル/計画/プロジェクト作業/デリバリー/測定/不確実性)。 **根拠となる事例・考え方** PMBOK第7版が挙げる12の原理・原則は、①スチュワードシップ(勤勉で、敬意を払い、面倒見も良く、責任をもってやるべきことをやる)②チーム(協働的なプロジェクト・チーム環境を構築する)③ステークホルダー(効果的に関わる)④価値(価値に焦点を当てる)⑤システム思考(システムの相互作用を認識し、評価し、対応する)⑥リーダーシップ(リーダーシップを示す)⑦テーラリング(状況に基づいてテーラリングする)⑧品質(プロセスと成果物に品質を組み込む)⑨複雑さ(複雑さに対処する)⑩リスク(リスク対応を最適化する)⑪適応性と回復力⑫変革(想定した将来の状態を達成するために変革できるようにする)。 8つのパフォーマンス領域はそれぞれ、ステークホルダー=関係者への関与や働きかけ、チーム=リーダーシップとマネジメント、開発アプローチとライフサイクル=成果物に適した進め方とリリースのリズム、計画=立上げ・計画・調整、プロジェクト作業=リソース管理や継続的な学習、デリバリー=成果や価値提供、測定=パフォーマンスの測定、不確実性=リスクおよびVUCA(変動性・不確かさ・複雑さ・曖昧さ)への対処、と定義される。原理・原則が「振る舞いの指針となる」上位概念で、その下にパフォーマンス領域が置かれる関係にある。 **キーワード** - **テーラリング**: PMBOKや組織で標準化されているやり方をそのまま適用するのではなく、プロジェクトの特徴や状況に合わせて取捨選択・調整し、実用的なプロセスやルールをつくること。 - **開発アプローチ**: 成果物を生み出すための道筋。ウォーターフォール/アジャイル/ハイブリッドの3種類。 - **ウォーターフォール**: 最初から最後までの流れを事前に計画して進めるアプローチ。要件が事前に決まる場合や大型プロジェクト向き。 - **アジャイル**: 「反復」と呼ばれる短い期間単位で開発を進め、反復ごとに機能のリリースを繰り返すアプローチ。 - **ハイブリッド型**: ウォーターフォールとアジャイルの組み合わせ。 - **VUCA**: 変動性・不確かさ・複雑さ・曖昧さ。不確実性パフォーマンス領域が対処する環境特性。