# 本当はやさしいプロジェクトマネジメント 〜はじめに〜/第2版発刊によせて
書誌情報: 飯田剛弘『PMBOK対応 童話でわかるプロジェクトマネジメント[第2版]』。第1版は2017年8月刊、第2版は2022年10月刊(PMBOKガイド第7版に対応)。出版社名は本分冊の読み取り範囲(表紙・奥付前)には現れず未確認。
**中心主張**: プロジェクトマネジメントの本質は「チームで成果を出す技術」というごく単純なものであり、PMBOKはそれを様々な規模のプロジェクトに適用できるよう抽象化しただけの体系にすぎない。難解に見えるのは抽象化の副作用であって、中身が難しいわけではない。本書は誰もが知る童話を「たとえ話」として使い、PMBOKの用語と考え方を最初の一歩として掴ませる。
**実践指針**
- PMBOKの分厚さに挫折しかけている場面では、まず「チームで仕事をするときに自分が既にやっていること」の言語化として読み直せ。
- ひとりで抱え込みそうな場面では、プロジェクトマネジメントを「他人に助けてもらうための共通言語」として使え(著者は「ひとりぼっちにならず、チームで助け合いながら課題に取り組める」ことを最大の効用として挙げる)。
- 目的を最初に決める場面では、それを「見える化」せよ。目的が可視化されていれば問題の発見・対策・改善が可能になる。
- プロジェクト型でない日常業務の場面でも、PMBOKの考え方だけを応用せよ。標準化された技法をそのまま実行する必要はない。
- 第7版から学び始める場面では、第6版以前の「プロセスベース」の知識も最低限押さえよ。第7版は原理・原則と価値を重視して具体的な進め方をあまり扱わないため、実務では旧版の手順が依然として重要である。
**根拠となる事例・考え方**
- 童話は「社会や組織でうまくやっていく方法」を子供にも分かる形で伝える理想的な教材であり、そこには既にプロジェクトマネジメントの精神が息づいている、というのが本書の企画意図。著者は小学6年生の息子に読ませてアドバイスをもらいながら執筆した。
- 第2版改訂の背景: 2021年にPMIがPMBOKガイド第7版をリリースし、従来のプロセス中心から「プロジェクトによってもたらされる結果や価値を重視した原理・原則」へと大きく方針転換された。本書は第7版への橋渡しを目的に、第7版の主な変更点の紹介を加筆したうえで、本文の手直しは最低限に留めている。
- 著者は外資系企業の日本・韓国・東南アジア・オセアニアのマーケティング責任者として、言語も国籍も異なるメンバーと働いており、プロジェクトマネジメントを「何カ国もの人と一緒に仕事をする人には必須の知識」と位置づける。
- 本書はPMP試験対策書ではなく、PMBOKを踏まえた入門書。基本的な事項に絞られている。
**本書の全体構成**(目次より。各章は「第N幕」の物語+各幕末の【教訓】+章末まとめ)
1. 第1章 3匹の子ブタ 〜プロジェクトを成功に導く「段取り」〜(第1〜17幕)
2. 第2章 ウサギとカメ 〜みんなが同じ方向を向ける「ゴール設定術」〜(第1〜7幕)
3. 第3章 桃太郎 〜チームで目的を達成する「仲間術」〜(第1〜10幕)
4. 第4章 ヘンゼルとグレーテル 〜段取りよくプランニングし、困った時に対応できる「リスク管理術」〜(第1〜9幕)
5. 第5章 アリとキリギリス 〜進捗を加速させる「情報共有術」〜(第1〜8幕)
6. 第6章 長靴を履いた猫 〜メンバーと仲良くなる「信頼構築術」〜(第1〜9幕)
7. 第7章 シンデレラ 〜ネガティブな状況とうまく関わって、協力を得る「付き合い術」〜(第1〜7幕)
8. 付章 PMBOKへの橋渡し(用語の基礎知識、10の知識エリア、第7版での変更点など13項目)
9. 多様性を受け入れ、認め、活かす時代 〜おわりに〜/謝辞
**キーワード**
- **PMBOK(ピンボック)**: プロジェクトマネジメントのノウハウを国際的に標準化した知的体系。PMI(プロジェクトマネジメント協会)が発行。
- **PMBOKガイド第7版**: 2021年リリース。従来のプロセスベースから、プロジェクトがもたらす結果・価値を重視した原理・原則ベースへ転換した版。
- **PMI(プロジェクトマネジメント協会)**: PMBOKガイドを発行する国際団体。
- **PMP**: PMIが認定するプロジェクトマネジメントの資格。本書は試験対策書ではない。
- **プロジェクトマネジメント**: 著者の定義では「チームで成果を出す技術」。