# 第2章 グーグルの強さの秘密を知る! 強いチームをつくる「社内雑談力」の極意 〜なぜ雑談で会社の生産性がアップするのか?〜 ※ この章は part1(50ページ)の途中で終わっています。以下は Part1「グーグルは雑談とどう向き合っているのか?」の2節目「意図的に雑談の機会を作るオフィス設計」までの内容です。**(part2に続く)** **中心主張**: 社内の雑談は「親睦」のためではなく、生産性を上げてアウトプット(成果)を出すための重要なツールとして戦略的に活用すべきものである。ダイバーシティ&インクルージョン、働き方改革、ハラスメント意識の高まりという3つの変化によって、日本企業の社内コミュニケーションは転換期を迎えている。グーグルは経営陣への直接質問の場(TGIF)と「衝突を作る」オフィス設計で、雑談を意図的に発生させている。 **実践指針** - 社内の雑談の目的を「親睦」から「生産性とアウトプット」に置き換えて設計する - 社内雑談は全方位で見る。会社としての取り組み方 → チームのマネジャー(上司)の視点 → メンバー(部下)の視点の順で在り方を考える - 部下の最大の不満は「上司から十分な情報が得られない」「上司が何を考えているのかわからない」。上司側から日常的に意思疎通の機会を作る - 経営陣に意見をぶつける場を定例化する。グーグルの TGIF は毎週金曜午後の全社ミーティングで、お酒やおつまみを用意して普段接点のない経営幹部に直接質問できる - 反対意見が出ることを歓迎する。「社長の意見は間違っていると思います」「その判断は正しくない方向に向かっています」に対して、感情的にならず丁寧なフィードバックを返す。それによって参加者は忌憚のない意見を出せるようになる - オフィスは「衝突を作る」(create collisions/衝突の機会を作る)視点で設計する。広いスペースや会議室を狭い通路でつなぎ、移動時に必ず顔を合わせるようにする - 社員食堂に「ひとりで座れる席」を作らない。長いテーブルを複数人で使う設計にすると、隣り合った社員同士に「あれ? 何を話しているんですか?」という雑談が生まれる - 部下を叱れないからと会話を減らさない。パワハラ・セクハラを恐れて上司が満足に叱れない場面が増えているが、必要なのは会話を減らすことではなく社内コミュニケーションの在り方を見直すこと **根拠となる事例・考え方** - 章の構成:Part1 グーグルは雑談とどう向き合っているのか? / Part2 なぜ「社内の雑談」が重要なのか? / Part3 マネジャー(上司)に求められる雑談とは? / Part4 メンバー(部下)に必要な雑談とは? - 社内コミュニケーションが転換期を迎えた3つの要因 1. **ダイバーシティ&インクルージョンという視点**:性別・年齢・国籍・文化・価値観など多様なバックグラウンドを持つ人材を受け入れ、その能力を幅広く活用して新たな価値を創造する「成長戦略」。企業が積極的に取り組む理由は①少子高齢化による働き手の減少への対応 ②SNSの普及で顧客ニーズや価値観が複雑化し、幅広い人材確保が急務になったこと。日本企業は今、「どうすれば多様な価値観を受け入れ、その能力を十分に引き出すことができるのか?」という難題と向き合っており、「日常的に意思の疎通を図ることの重要性」に関心が高まっている。1on1導入の増加もその一環 2. **出口が見えない「働き方改革」の問題**:長時間労働を抑制する働き方改革を進める一方で「働きがい」「働きやすさ」や社員同士の「エンゲージメント」(深いつながりをもった関係性)など、労働時間を短くするだけでは解決できない新たな課題に直面。経営陣だけでなく現場でも「日常的な会話が不可欠」という認識が再確認されている 3. **パワハラ&セクハラ意識の高まり**:コンプライアンスの徹底強化により「上司が部下を満足に叱れない」場面が増加。上司と部下の関係に限らず、社内全体のコミュニケーションの在り方が問われている - 昭和の日本企業では「上司の指示や意見は絶対」で、社長が「右」といえば全社一丸となって右に向かうのが当然だった。1990年代初頭のバブル崩壊で終身雇用・年功序列を前提とした「家族主義」から欧米流の成果主義へ舵を切り、現在は誰の判断が正しいのかわからない時代となって、上司そのものがジャッジに迷う - 著者がフェイスブックで実施した250人の調査では、4人に1人が「上司には本音を言うべきではない」と答え、3人に1人が「上司には本音を言っていない」と回答。管理職の立場にある人自身が飲み会の席で「俺は自分の上司には絶対に本音を言わないよ」と公言する場面もある - 「黙ってルールに従いなさい」という保守的な会社が歴史のある大企業に限らずまだ多く、社員同士のダイアログを重視せず「言われた通りにやりなさい」という、まるで大人と子供のような関係性は世界でもあまり類がない。マネジャーに求められているのは上意下達の指示ではなく、文字通りメンバーの「マネジメント」(管理) - グーグルはアメリカの雑誌『フォーブス』が選ぶ「働きがいのある企業ランキング」で何度も世界の第1位に選ばれており、その理由のひとつが社内コミュニケーションの重視 - 社員食堂は無料で美味しい食事ができ、日本企業のように窓際のカウンターでひとりで食事をするスペースはなく、長いテーブルを複数人で使う。エンジニアが「会社のキャリア制度を調べたんだけど、よくわからないんだよね」と言えば、隣に座った人事部の社員が「それは、あのページに詳しく出ていますよ」と気軽に声をかける - 日本企業のオフィスも働き方改革でワンフロアのオープンオフィスやフリーアドレスが増えているが、グーグルは広いスペースと多数の会議室が狭い通路でつながっており、移動のたびに顔を合わせる。「元気?」と挨拶したり「そういえば、先日のアジェンダのことだけど、どう考えている?」といった雑談が始まる。日本のグーグルのオフィスも同じ設計 **キーワード** - **社内雑談力**: 社内の雑談を単なる「親睦」ではなく、生産性を上げてアウトプット(成果)を出すための重要なツールとして戦略的に活用する力 - **ダイバーシティ&インクルージョン**: ダイバーシティは「多様性」、インクルージョンは「受容性」。多様な人材を受け入れ能力を活用して新たな価値を創造する成長戦略のひとつ - **エンゲージメント**: 社員同士の深いつながりをもった関係性。働き方改革で労働時間を短縮するだけでは解決できない課題として浮上した - **TGIF(Thanks Google It's Friday)**: グーグルの毎週金曜午後の全社ミーティング。社長・経営幹部が壇上に上がり会社の方向性や新規事業、新商品を全社員に説明し、参加者がダイレクトに質問できる。社内の風通しを良くするだけでなく、会社の考え方や方向性を経営陣と社員が共有して生産性をアップさせることを目指している - **create collisions(衝突を作る/衝突の機会を作る)**: 社員同士が頻繁に雑談をして意見交換をするよう、オフィス設計そのもので偶発的な接触を発生させるグーグルの考え方