# 思考技術 用語集 高松智史『「答えのないゲーム」を楽しむ 思考技術』(実業之日本社)の用語。著者の造語・独特の言い回しが多い。 ## 本書の前提となる世界観 - **答えのないゲーム**: 明確な正解が存在しない問題領域。ビジネス上の意思決定、キャリア選択、人間関係など。解説書がなく、レビューする上司も正しいか判断できない。→ 第1章 - **答えのあるゲーム**: 正解が事前に決まっており、当てれば勝ちの問題領域。義務教育・大学受験・資格試験など。思考パターンは「答えはこれ!」→「合ってる?」→「当たり!」→「OK」。→ 第1章 - **思考技術**: 「考える力」をスキル=再現可能な技術として捉えた言い方。生まれつきの頭の良さではなく習得対象。→ はじめに - **ゲーム感覚**: 目の前のことに着手する前に「これはどういうゲームか」を見極める判断の構え。全5種。→ 第5章 - **セクシー**: 「非の打ち所がない」「最高である」の意で著者が用いる形容。→ 第1章 - **ポンコツ**: 思考をサボっている状態・人を指す著者の言い回し。1つの答えでどや顔をする自分を「ポンコツだ!」と自覚することが出発点。→ 第1章 ## 3ルール(第1章) - **答えのないゲームの3ルール**: ①プロセスがセクシー ②2つ以上の選択肢を作り、選ぶ ③炎上、議論が付き物。本書最大のメッセージで暗記対象。→ 第1章 - **プロセスがセクシー**: 答え単体には価値がなく、最高のプロセスから導かれた答えだから最高だ、と主張できる状態を目指す考え方。「答え」単体 →「プロセス」+「答え」へのシフト。→ 第1章 - **選択肢の比較感**: 絶対的な答えがない以上、複数の選択肢を並べた相対比較でしか答えに近づけない、という考え方。→ 第1章 - **炎上**: 議論で意見が衝突し、喧々囂々になること。避けるべきものではなく、答えのないゲームに付き物の通過点として扱う。→ 第1章 - **ホウレンソウ(報・連・相)**: 社会人1年目には大切だが、「答えのあるゲーム」の始まりでもある。「報告、連絡、相談していいですか?」精神との決別が3つ目のルールの精神。→ 第1章 - **スライドライティングの4ステップ**: 論点明確化+メッセージ言語化 → ファクトを必要最低限注入 → スライドイメージ → ワードでやり切ってからPPT。「PPTはできるけどスライドは書けない」人が飛ばしている工程。→ 第1章 ## 示唆まわり(第2章) - **示唆(インプリケーション/メッセージ/So-What)**: ファクトから言えること。複数のファクトの対比から上に浮かび上がる解釈。断言できてしまうことはファクトであり、「合っているかもしれないが実際のところはわからない」のが示唆。→ 第2章 - **ファクト**: 100人中100人が「そうだよね」と納得する事柄。→ 第2章 - **対比**: 示唆の根拠となる比較。「ファクトVSファクト」または「ファクトVS常識/知識」の形にする。「対比のない示唆はただのゴミ」。→ 第2章 - **3構造(スリーこうぞう)**: 上に示唆、下に対比の2ファクトを置く思考の型。物語・情報を3つに分けて要約する技術も指す。3つという制約がファクトの取捨選択を強制し、思考を進化させる。→ 第2章 - **示唆を出す3セット**: 「3構造」「対比」「示唆」。この3つが揃って初めてゴール。欠けると思いつき・思い込みになる。→ 第2章 - **示唆は程度問題(脱ゼロ・イチ文化)**: ファクトと示唆は白黒はっきり分かれるものではなく、示唆成分の"配合"が濃くなっていくグラデーション=割合の問題。→ 第2章 - **プラチナ示唆**: 100人中3人が「そうだよね」と納得する示唆。聞いただけでは納得しないが説明を聞けば「なるほど、確かに」となる。ファクトから限界まで離れつつ、なお示唆と認識される範囲。これを超えると「勘」「関係ないこと」に転落する。→ 第2章 - **ゴールド示唆/ブロンズ示唆**: プラチナ示唆に至らない基本の示唆の段階。桃太郎の例では「大きなことを為すには仲間が必要だ」=ゴールド、「仲間を作るには対価が必要だ」=ブロンズ。→ 第2章 - **ファクトVS示唆**: 自分の発言がファクトなのか示唆なのかを明示的に区別する意識づけ。→ 第2章 - **口癖①「何が言えるっけ?」**: ファクト・グラフ・文章を見た時に自分に問いかける王道フレーズ。思考を強制的に回転させる。→ 第2章 - **口癖②「見たままですが」**: 示唆が浮かばない時に、ファクトを述べていると明示するための魔法の言葉。間が生まれ、議論を他者に広げる糸口にもなる。→ 第2章 - **口癖③「それは何人中何人?」**: 出した示唆の濃度(納得する人の割合)を自己採点する問い。→ 第2章 - **"にもかかわらず"構文**: 「〇〇〇にもかかわらず、×××ということは、□□□に違いない」。示唆に必ず存在する対比を明示する構文。→ 第2章 - **桃太郎ワーク**: 示唆抽出プロセスを童話「桃太郎」で訓練する著者の演習。①示唆を出す ②"にもかかわらず"構文 ③3構造 ④実践 ⑤2つ以上の選択肢を作り議論する、の5段階。→ 第2章 - **キジケン**: 記事検索のこと。調査から示唆を出す作業。→ 第2章 ## 議論・説得(第3章) - **B〇条件(ビーマルじょうけん)**: 著者の造語。「B(相手の意見)が〇となる条件(b)を提示して、その"条件"を否定(a)する」+「決して相手の意見(B)を直接否定してはならない」。→ 第3章 - **A〇(エーマル)**: 「自分の意見を丁寧に説明する」ダメな説得ルート。相手は「言っていることは正しそうだけど、よくわからない。頭に入ってこない」となる。→ 第3章 - **B×(ビーバツ)**: 「相手の意見を直接否定する」ダメな説得ルート。炎上はこのルートの先にある。→ 第3章 - **水掛け論**: A vs B のぶつけ合いによって議論が交わらなくなる状態。→ 第3章 - **半身(はんみ)**: A〇に軸足を置いたままB〇条件を作ろうとする中途半端な状態。条件が相手の価値観・当事者を主語にしてしまいがちで、事故のもと。→ 第3章 - **辻褄思考**: 相手の一見おかしな言動に対し「どう考えれば辻褄が合うだろうか?」と考えを巡らせる思考技術。前著『変える技術、考える技術』由来で、B〇条件の原点かつ「概念」、B〇条件はそれを「スキル化したモノ」。→ 第3章 - **イをムに理論**: 「イライラするわぁ」を「ムラムラするわぁ」と叫び変えることで怒りのエネルギーを放出し、精神を平穏に保つ技術。→ 第3章 - **キーワードは"急がば回れ"**: エライ人の一言で方向がズレかけたとき、目指す方向を鮮明にして軌道修正する姿勢。→ 第3章 ## 問題解決プロセス(第4章) - **ゲーム&ゲーム**: 『ゲーム』のルールを考える『ゲーム』。カードの特徴だけからルールを当てる思考トレーニングの総称。→ 第4章 - **4ステップ**: ①論点を立てる ②ファクトから示唆を抽出する ③仮説を作る ④仮説を検証する。暗記対象で、ステップを飛ばすことはありえない。→ 第4章 - **論点X/サブ論点Y**: 大枠の論点Xと、Xを解決したと言えるために必要な下位の問い群Y。「サブ論点を立てる」と呼ぶ。→ 第4章 - **"とりあえず作業"は炎上の始まり**: 論点を立てずに「とりあえず調べる→考える→アウトプットする」に入る罠。100人中99.5人がやってしまう。→ 第4章 - **重要度で構造化**: MECE(文字面の粒度)ではなく、検討上の重要度で論点を切り分ける本書独自の構造化。→ 第4章 - **順番には意味を**: 項目が3つ以上並んだときに叫ぶ合言葉。なぜその順序なのかを説明できる状態にする。→ 第4章 - **類似例を考える**: 示唆が出ないファクトに対し、同カテゴリのものを並べて共通点を汲み取る技法。→ 第4章 - **違和感=論点の持ち主の意図**: 「普通だったらこうするのに、そうなっていない」箇所には必ずヒントが隠れている。→ 第4章 - **仮説思考**: 四の五の言わずに、与えられた情報から論点に対しての答えを作り切ること。→ 第4章 - **リアリティ・スウィッチ**: 具体的に、超具体的にアタマの中で想像・シミュレーションし、感情・感覚として辻褄の合わなさを捉える技術。数字的分析だけを信じず顧客の行動を粒さに観察・想像することに相当する。→ 第3章・第4章・第5章 - **neu(ノイ)**: 「ゲーム&ゲーム」の出題(4-1)の正解となる実在のカードゲーム。→ 第4章 ## 5つのゲーム感覚(第5章) - **ボジョレー思考**: 生産性・合理性・量産を正義とし、青天井に「もっともっと」を追う思考。現代は放っておけばこちらに染まる。→ 第5章 - **ロマネコンティ思考**: あらかじめ決めたゆるぎないゴールの達成を最終目標とし、それ以上を求めない思考。数も売り先も制限する。→ 第5章 - **理解ドリブン**: 「難題に出会う→何となく解き始める」学び方。頭は疲れないが再現率は6割止まり。エリートほどこちらに寄りがちで、成長スピードを鈍化させる。→ 第5章 - **暗記ドリブン**: 「難題に出会う→暗記したことをそのまま思い出す→その教えを元に解き始める」学び方。暗記時間は要るが再現率100%を目指せる。目に見えない答えを扱う領域で優位。→ 第5章 - **100分の70/100分の3**: 100人中70人が受かるゲームか、3人しか受からないゲームか。「自分にとって」どちらかを見極めてから戦い方を決める。→ 第5章 - **アーティストモード**: 誰の指図も受けず、自分の思いのままに最後までやり切るモード。目の前にいるのは「自分」。→ 第5章 - **クリエイターモード**: お客さんの期待に応え、超えるものを作り切るモード。目の前にいるのは「お客さん」(ビジネスではクライアント、時に上司)。→ 第5章