# 思考技術 チートシート 高松智史『「答えのないゲーム」を楽しむ 思考技術』(実業之日本社)から、場面別の行動指針を抽出したもの。 ## 1. ゲームの見極め(着手前) | 場面 | 行動 | 根拠 | |---|---|---| | 何かを始める前 | 「これはどういうゲームか」を見極め、「どのゲーム感覚で臨むか」を決めてから開始する | 第5章 | | 正解がありそうに見える仕事 | 「答えのあるゲーム」か「答えのないゲーム」かを判定する。上司も正しいか判断できない領域なら後者 | 第1章・第5章 | | 目標設定・キャリアの方向づけ | ボジョレー思考(青天井の成長)かロマネコンティ思考(決めたゴールで打ち止め)かを先に決める。無意識なボジョレー思考が一番不健康 | 第5章 | | 稼ぎ方に迷ったとき | 「自分はどれだけ稼ぎたいのか?」にリアリティ・スウィッチを入れて金額まで具体化する | 第5章 | | 勝負ごとに臨むとき | 「自分にとって」100分の70か100分の3かを判定する。70なら自然体で減点を防ぐ、3なら振り切って時間とリスクを投下する | 第5章 | | 人生全体の配分 | 普段は100分の70に平常心で臨んで勝ち癖とエネルギーを貯め、いつかの100分の3にフルスロットルを注ぐ | 第5章 | | 仕事・私生活の進め方を選ぶとき | アーティストモード(目の前にいるのは自分)かクリエイターモード(目の前にいるのはお客さん)かを決める | 第5章 | | 学習方法を選ぶとき | 間違いに自分で気づける物事は理解ドリブンでよい。目に見えない答えが無数にある領域(考える力・フェルミ推定)は暗記ドリブンで学ぶ | 第5章 | ## 2. 答えの出し方(3ルール) | 場面 | 行動 | 根拠 | |---|---|---| | 答えのないゲーム全般 | 3ルールを暗唱する:①プロセスがセクシー ②2つ以上の選択肢を作り、選ぶ ③炎上、議論が付き物 | 第1章・第4章 | | 答えを提示するとき | 「答え」単体ではなく「プロセス」+「答え」で語る。プロセスが非の打ち所がないから答えも最高だ、と言える状態を作る | 第1章 | | アイデアが1つ浮かんだ瞬間 | 飛びつかない。「自分はポンコツだ」と自覚してもう1つ選択肢を作る。新規事業なら8つくらい作る | 第1章 | | 選択肢が2つ以上あるとき | 必ず比較して語る。比較すると「なぜ、それを選ぶのか?」が自然と言語化され、思考をもう一回転できる | 第1章 | | 上司に「これで合ってますか?」と聞きそうになったとき | 止まる。それは上司にだけ答えのないゲームをさせ、自分は答えのあるゲームをしている状態。報連相メンタリティを捨てる | 第1章 | | 言葉選びの場面(部下への声かけ等) | 言葉も選択肢を2つ以上出してから選ぶ | 第1章 | | 議論で違う意見が出ないとき | 警戒する。「参加者がポンコツか、自分が偉すぎるか」のどちらか | 第1章 | | スライドを書くとき | ①論点を明確にしメッセージを言語化 → ②支えるファクトを必要最低限注入 → ③スライドのイメージ → ④ワードでやり切ってからPPT。フォーマットも最低2案作って選ぶ | 第1章 | ## 3. 示唆を出す(ファクト → メッセージ) | 場面 | 行動 | 根拠 | |---|---|---| | ファクト・グラフ・文章に接した瞬間 | 口癖を回す:「見たままですが」→「何が言えるっけ?」→「それは何人中何人?」→"にもかかわらず"構文 | 第2章 | | 示唆が浮かばない会議 | 「見たままですが」を頭に付けて発言する。間が生まれて思考が回り、「○○さん、どう思いますか?」と議論を広げられる | 第2章 | | 示唆を出すとき(型) | ①元ネタを3つに分けて要約(3構造)→ ②対比の2ファクトを置く → ③上に示唆を載せる。この3セットが揃って初めてゴール | 第2章 | | 対比を作るとき | 「ファクトVSファクト」または「ファクトVS常識/知識」の形にする。推測の余地がないファクトで作る | 第2章 | | 示唆を言葉にするとき | 構文に当てはめる:「〇〇〇にもかかわらず、×××ということは、□□□に違いない」 | 第2章 | | 対比が言えなかったとき | それは示唆ではなく**ただの感想**と判定して捨てる。「対比のない示唆はただのゴミ」 | 第2章 | | 示唆の質を測るとき | 「100人中何人が納得するか」を自問する。100人=ファクト、3人=プラチナ示唆、それ未満=勘 | 第2章 | | 示唆が1つしか出ないとき | 「思い込み」だと疑う。同じファクトから2つ、できれば3つ絞り出して比較する | 第2章 | | もっと鋭い示唆が欲しいとき | 元のファクトとは**別のファクトを切り取って**2つ目・3つ目の3構造を作る(桃太郎から「3匹」「猿・キジ・犬」「桃から生まれた」を切り取ったプラチナ示唆の作り方) | 第2章 | | 示唆の受け手が決まらないとき | 聞き手の設定を疑って粒度を決める。「子ども向け」と決めつけず「社会人向けならどう読むか」と変えてみる | 第2章 | | 示唆を出し終えたとき | 出したら終わりにしない。2つ以上を持って議論し、どちらに乗るかを意思決定する(最終的には議論で完結) | 第2章 | | 示唆の材料を探すとき | 文章に限らず、分析・キジケン(記事検索)・発言・行動から汲む。誰がどの席に座ったか、いつもは婉曲な上司が白黒つけたか、も材料 | 第2章 | | 練習量が足りないと感じるとき | 1つのファクトから無理やりにでも3つ以上の示唆を絞り出す。「量」から入る | 第2章 | ## 4. 議論・説得(B〇条件) | 場面 | 行動 | 根拠 | |---|---|---| | 相手と意見が対立したとき | 構文で返す:「もし〇〇〇だったら、あなたの意見は正しい。だけど今回は〇〇〇ではないので、正しくない」。省略形は「〇〇〇なら賛成だけど、そうじゃないでしょ。だから反対」 | 第3章 | | 説得の入り方を決めるとき | A〇(自分の意見を丁寧に説明する)にもB×(相手の意見を直接否定する)にも逃げない。どちらも圧倒的な信頼関係や力の差がある関係でしか効かない | 第3章 | | 条件を作るとき | 「相手の意見が、どういう場合・条件・シチュエーションであれば〇になるだろうか?」と必ず一回は自問して叫ぶ | 第3章 | | 条件の中身を決めるとき | 相手の価値観・人格・生き方には絶対に触れない。条件は物事・状況・環境の側に置く(当事者を主語にした条件は"半身"で事故のもと) | 第3章 | | 相手が上役で否定しづらいとき | 手ぶらで考えず、追加情報(市場データ・観測可能な数字)を自分で取りに行ってから条件を作る | 第3章 | | 条件に説得力が足りないとき | リアリティ・スウィッチを入れる。金額・家族構成・人物像まで具体化して試算する(大人6000円・子ども3000円で3人家族と5人家族を比べる、等) | 第3章 | | 相談を受ける側に回ったとき | スタンスを取らない。「Aしたいなら◯◯、そうではなくBしたいなら△△」と条件に変換して返すと、相手は自分で選んだ気になる。B〇条件の練習はここから始めるのがよい | 第3章 | | 議論でイラっとしたとき | 「イライラするわぁ」ではなく「ムラムラするわぁ」と叫ぶ(イをムに理論)。怒りのエネルギーを放出して精神を凪がせる | 第3章 | | 前と真逆の指示が来たとき | 反射的に言い返す前に「どう考えれば、辻褄が合うだろうか?」と自問する(辻褄思考)。「何かインプットがあって思考が進化したということですよね」と爽やかに返す | 第3章 | | B〇条件を身につける過程 | 反射神経を変える。即答してしまう反応を条件から入る反応へクセづける。完全に身につくまでは議論を仕切らない | 第3章 | | エライ人の一言で方向がズレたとき | 目指す方向を鮮明にして戻す。キーワードは"急がば回れ" | 第3章 | ## 5. 問題解決プロセス(ゲーム&ゲームの4ステップ) | 場面 | 行動 | 根拠 | |---|---|---| | 情報・資料を渡された瞬間 | 手を動かす前に論点を立てる。「とりあえず作業」は炎上の始まり(100人中99.5人がやってしまう罠) | 第4章 | | 論点を立てるとき | 大枠の論点Xとサブ論点Yに分解する。X=解決を託された課題、Y=Xを解決したと言えるために必要な問い | 第4章 | | 論点の抜け漏れを探すとき | 「敵は誰だ!?」を考える(例:このゲームを作った開発長の気持ち → 「売れるか」が論点に加わる) | 第4章 | | 論点を構造化するとき | MECE(文字面の粒度)ではなく**検討上の重要度**で切り分ける | 第4章 | | 項目が3つ以上並んだとき | 「順番には意味を」と叫ぶ。なぜこの順なのかを説明できる状態にする | 第4章 | | ファクトを前にしたとき | 眺めない。論点に向かって1つずつ「このファクトから何が言えるか」を潰す | 第4章 | | 示唆が出ないファクトに当たったとき | 類似例を考える。同カテゴリのものを並べ、当てはまるもの/当てはまらないものを出し尽くして共通点を汲む | 第4章 | | 違和感を覚えたとき | そこに書き手・論点の持ち主の意図が隠れていると読む。違和感=「普通だったらこうするのに、ああなっていること」 | 第4章 | | 情報が足りないと感じるとき | 四の五の言わずに仮説を作り切る。「わかるわけがない」で思考を止めない | 第4章 | | 仮説を作るとき | 全ファクトを同時に使わない。軸とするファクト(とその示唆)をいくつかに絞って作る | 第4章 | | 仮説ができたとき | 自分で「そんなわけないじゃん」とツッコミを入れ、理由まで添えて次の仮説へ進化させる | 第4章 | | 仮説を検証するとき | リアリティ・スウィッチを入れる。論理ではなく超具体的に頭の中で実演し、感情・感覚としての違和感を捉える | 第4章 | | 調べ物をするとき | ①何のために調べるのか(論点)を明確化 → ②がむしゃらに、無心に調べる → ③その論点の方向性でどんな示唆が言えるかを書き出す | 第4章 | | 実務で迷子になったとき | 「"ゲーム&ゲーム"でいえば何に当たるんだっけ?」と4ステップに戻る | 第4章 |