# はじめに **書誌情報**: 高松智史『「答えのないゲーム」を楽しむ 思考技術』実業之日本社 ## 中心主張 表紙に込められたメッセージは「『考える力』はスキルであり、技術。だから、身につけることができるよ」。著者はBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)在籍経験と、その後10年にわたりビジネスパーソン/コンサルタントに1対1で教えてきた経験から、「考える技術」を言語化してきた。本書のテーマは、明確な正解が存在しない「答えのないゲーム」を、苦しむのではなく**楽しむ**ための思考技術である。 ## 実践指針 - 「こうしたら、正解」という公式が通用しない時代(コロナ禍による社会の劇的変化、副業という新たな選択肢、大企業VSスタートアップ)では、"誰にでも当てはまる"答えを探すのをやめ、「答えのないゲーム」を楽しむ術を学べ。 - 「答えのないゲーム」に勝つ/負けるも大事だが、それ以上に**楽しむ**ことを目的に据えよ。人生という大きな視点では、一人ひとりが自分で考えて前に進むしかない。 - 本を手に入れたら「積読」にせず、いまから本を片手にコーヒーショップで1時間、読み始めよ。読み始めた瞬間が「答えのないゲーム」の戦いのスタートである。 - 第1章の3ルールは、知るだけでビジネスにおける行動や結果が変わる。まずここを押さえよ。 ## 根拠となる事例・考え方 **著者の来歴**: BCGという戦略コンサルティングファーム出身。既刊に『変える技術、考える技術』『フェルミ推定の技術』『フェルミ推定から始まる問題解決の技術』があり、本書はその延長で「考える力」をさらに言語化したもの。 **本書の構成(全5章)**: | 章 | テーマ | 位置づけ | |---|---|---| | 第1章 | 「答えのないゲーム」の戦い方・3ルール | 前提となるルール。暗記・暗唱すべきメインディッシュ | | 第2章 | 示唆(So-What) | 武器1。ファクトから言えることを紡ぎ、混沌とした世界を前に進む思考技術 | | 第3章 | B○条件(ビーマルじょうけん) | 武器2。議論・説得の技術。「1+1=?」のような答えがあれば議論は起きないが、皆の生きる世界にそんな「答え」はない | | 第4章 | ゲーム&ゲーム | 第1〜3章の武器を携えて「答えのないゲーム」をどういうプロセスで考えるかの「教科書、道しるべ」。トレーニングを総称して「ゲーム&ゲーム」と呼ぶ | | 第5章 | 5つのゲーム感覚 | ビジネスや人生をより楽しむために持っておくべき「感覚」。ルールを見極めるポイントを5つ説明 | **「ゲーム」という比喩の理由**: ゲームなら最初にルールを解説してくれるが、ビジネスや人生はそうはいかない。「どんなルールなのか?」を知らなければ、健やかに楽しむことはできない。だから著者はそのルールを1冊にまとめた。 **著者の狙い**: 王様でもない限り、誰かと議論し、自分の意志を通すための説得が時には必要になる。さらに複雑なのは、その議論したい相手と「今後も健やかな関係でいたい」と思う感情である。この欲張りな難題をクリアする思考技術を伝授する、というのが本書の立ち位置。 ## キーワード - **答えのないゲーム**: 明確な正解が存在しない問題領域。ビジネス上の意思決定、キャリア選択、人間関係など。本書の中心概念。 - **答えのあるゲーム**: 正解が事前に決まっており、当てれば勝ちの問題領域。受験・資格試験など。 - **思考技術**: 「考える力」をスキル=再現可能な技術として捉えた言い方。生まれつきの頭の良さではなく習得対象。 - **示唆(So-What)**: ファクトから言えること。第2章の主題。 - **B○条件(ビーマルじょうけん)**: 炎上を回避し、議論を健やかにする思考技術。第3章の主題。 - **ゲーム&ゲーム**: 第1〜3章の武器を使って答えのないゲームを解くトレーニングの総称。第4章の主題。 - **5つのゲーム感覚**: 第5章で示される、ビジネス・人生を楽しむための感覚。